サボニスのドリブルハンドオフでオフェンスが活性化
キャバリアーズを東カンファレンス・ファーストラウンドで苦しめたペイサーズ。アップセットを起こすのではないかと思われたが、レブロン・ジェームズという壁を超えられなかった。
しかし、周囲がペイサーズを見る目は確実に変わった。今シーズン開幕前の時点では、数年先を見据えてロッタリーに回る方が得策ではないかという意見もあったものの、東の5位にまで躍進してプレーオフに勝ち上がった。チームを支えた選手は、新たなエースへと成長したビクター・オラディポだ。初のオールスター選出、プレーオフでの活躍、そして今シーズンを通じ最も成長した選手に送られるMIP賞の最終候補に選出されたことだけで、彼がチームにもたらした影響は説明するまでもない。
しかし、その影に隠れたままにしておくのは惜しい選手がいる。ドマンタス・サボニスだ。オラディポと同じく、昨年のオフにポール・ジョージとの交換でサンダーからペイサーズにトレードされたサボニスは、シーズン前の時点でノーマークに近い存在だった。
バスケットボール殿堂入りを果たしているアルヴィーダス・サボニスを父に持ち、名門ゴンザガ大学で頭角を現してNBA選手になっただけに、その才能は以前から認められていた。インサイドプレーヤーとしての基礎もプロ入り前からしっかり身に着け、ロングシュートも打てる現代型の選手で、サンダー時代には『ストレッチ4』という役割を与えられ、1年目から先発に定着したのだが、それほど高く評価されていたわけではない
Domantas Sabonis posts an #NBAPlayoffs career-high 19 PTS for the @Pacers in Game 4 at home! #Pacers pic.twitter.com/vk6qdWav10
— NBA (@NBA) April 23, 2018
そのサボニスがペイサーズで迎えた2年目の今シーズンに見せた真骨頂は、オフェンス時のドリブルハンドオフにある。ドリブルの流れのままスクリーンプレーを決める上で欠かせない役割において、サボニスの存在は大きかった。ヘッドコーチのネイト・マクミランも、チームのボールムーブが改善された要因に、オラディポとサボニスの存在を挙げている。ペイサーズの選手では、現在ウォリアーズに所属するデイビッド・ウェスト以降、ドリブルハンドオフに優れた選手は少なかった。サボニスのポテンシャルに気づいたマクミランは、ボールを動かすスタイルのオフェンスを導入し、今シーズンの成功を引き出したというわけだ。
マクミランは、父親と同様に幅広いスキルを持つサボニスについて、『CBS Sports』の取材を受けた際、こう称賛している。「バスケットIQ、パス技術、試合を読む目を持った選手だ。まだ若いし、これからもっと成長する。彼を見ていると、バスケットボール殿堂入りした父親のプレーを思い出す」
今シーズンは主にセカンドユニットとしての出場だったが、マクミランは来シーズンからマイルズ・ターナーとサボニスをフロントコートで組ませるかもしれない。控え目な存在ながらも、確実にチームに良い影響を与えるサボニスの3年目が楽しみだ。