CJ・マッカラム

カーメロ「小さな成功を積み重ねていくしかない」

NBAプレーオフは現地29日に再開する。それが決まった直後から、各チームはプレー再開に向けた準備に入ったが、気持ちを切り替えるのは簡単ではない。

トレイルブレイザーズは1勝3敗と後がない状況に追い込まれ、レイカーズとの第5戦に臨む。デイミアン・リラードの故障離脱で苦しい戦いが予想されるが、残った選手たちが精神面で準備ができていなければ、勝機は見いだせない。カーメロ・アンソニーは前日練習の際の会見でこう語る。

「この数日で起きたことを整理して、自分たちの社会に影響を与えることを意識してバスケをするのは難しい。それでも僕らはやらなきゃいけない。コートに出てプレーしなきゃならないんだ。僕らが本当に望む変化からはかけ離れているとしても、それでも小さな成功を積み重ねていくしかない。僕らはミーティングで正直な気持ちを話した。当然、全員が同じ意見にはならない。誰もが自分の感情を持ち、それぞれ信じているものがある。でも、このNBAのために一丸となってプレーすると決めたんだ」

CJ・マッカラムは「正直に言えば自分の仕事であるバスケットボールに集中するのは難しいよ」と打ち明ける。「この国の黒人に起きていることは本当に悲しくて、気分が落ち込む。でも、この何日かで気持ちを整理することができたと思う。選手、選手会、リーグ、理事会がみんな集まって、社会にポジティブな変化を与えること、運動を広めることについて考えられたからだ」

マッカラム自身、全体の合意があればそれに従うつもりだったが、個人的にはシーズンを続行すべきだと考えていた。

「僕個人としてはNBAというプラットフォームを利用して、NBA選手としての立場を用いて、次世代に向けた取り組みを推し進める責任があると感じている。ボイコットしたら、その後に何ができる? 家に帰って自分たちの生活を楽しむのか、そうじゃなくて最前線で本当の意味でのインパクトを探し続けるのか。僕ならプレーを続ける。もっとも、こういった会話ができたこと自体が素晴らしいんだ。本当は50日前に話せていれば一番良かったけど、とても有益だった。みんな意見はそれぞれ異なるから、時には衝突するし、相性が良くないこともある。でも、全体としては僕らは多くのことを成し遂げられた。僕らは今後も社会に影響を与え、できる限りのアリーナや練習施設をオープンにして、弾圧されている人たちを守るんだ」

負ければ終わりのプレーオフで追い込まれた状況にあるが、マッカラムもカーメロも、目の前の1勝を取りに行くと同時に、もっと大きな『勝利』を目指して、明日のコートでは迷いのないプレーを見せてくれるはずだ。