ハーデン「僕たちの試合はこうあるべきだ」
ロケッツは初戦に続いてサンダーに2桁点差の勝利を収め、これでプレーオフファーストラウンド開始から2連勝となった。
初戦では第2クォーターに奪ったリードを最後まで守る安定感のある戦いぶりを見せたロケッツだが、この試合では苦戦を強いられた。サンダーが守備を立て直し、第1戦で13本中6本の3ポイントシュートを決めて37得点を奪ったジェームズ・ハーデンに自由を与えない。ハーデンはチャンスメークに意識を向けながらも、自らの武器である3ポイントシュートを打ち続けたが、この試合では11本中2本成功と抑えられた。
ディフェンスでも、少しのズレでも強引にこじ開けに来るサンダーのパワフルな攻めに手を焼いた。ダニーロ・ガリナーリ、シェイ・ギルジャス アレクサンダーのアタックをなかなか止められない。
ハーデンを抑えられた時に個人で打開できるラッセル・ウェストブルックは欠場。ハーデンの3ポイントシュートさえ止めてしまえばロケッツに勢いは出ない、というサンダーの狙い通りの展開となり、1ポゼッション差のまま最終クォーターを迎えた。
調子の上がらないハーデンはベンチに。サンダーとしてはここでリードを奪って終盤の勝負どころを有利な形で迎えたいところだったが、そのプランは思わぬ形で崩れてしまう。ハーデンに代わってオフェンスを引っ張るエリック・ゴードンの速いテンポに受け身に回り、ダニュエル・ハウス Jr.とジェフ・グリーンに3ポイントシュートを次々と沈められていく。グリーンに最初の3ポイントシュートを決められた時点でタイムアウトを取ったのだが、ここでディフェンスを引き締められなかったのが痛かった。
ロケッツは3分間で14-0のラン。91-80と一気にリードを広げたところで、十分すぎるほど休んだハーデンがコートに戻る。そのハーデンは早速フリースローで追加点を挙げ、止まらないグリーンの3ポイントシュートをアシスト。こうなってしまっては、もうサンダーに手の打ちようはなかった。最終スコア111-98、ロケッツが苦しみながらも勝利をモノにしている。
この試合、注目を集めたのはロケッツのベンチに入ったウェストブルックだ。右太ももの筋挫傷でプレーオフの2試合を欠場している彼だが、他のチームメートと変わらず試合に入り込んでいた。チームメートに声を掛け、コーチングスタッフの会話に加わり、審判にアピールする。愛着ある古巣を相手にプレーしたい気持ちは人一倍強いだろうが、ケガだからとチームの一員として戦うのをあきらめたりしないのが彼らしい。
ハーデンもそれに影響されたのだろう。シュートタッチが悪く、思いがけず長い時間をベンチで過ごすことになったが、試合への気持ちを切らすことなく、ウェストブルックと同じように声を出し、ベンチから仲間たちを盛り立てた。
ウェストブルックの応援が力になったのでは、と試合後のインタビューで問われたハーデンは、笑いながら「彼は応援が上手いからね。まあ実際のところ、それしかやることがないんだけど」と答えている。
ロケッツにとってウェストブルックの不在は大きな痛手のはずだが、ここまで連勝と結果を出している。特にこの第2戦はハーデンを抑えられても勝ち切った。「僕たちの試合はこうあるべきだ。サンダーに疲れが見えた時にプレッシャーを掛け続けたんだ」とハーデンは自分が主役でなくてもチームの勝利を喜んだ。
サンダーとしてはルーキーながらフィジカルなディフェンスを武器に主力の働きを見せるルグエンツ・ドルトがケガで初戦を欠場。この試合で戻って来たがプレータイムは25分に制限され、彼を休ませていた第4クォーター序盤にロケッツを止められなかった。第3戦までに彼がどれだけコンディションを戻せるか、またチーム全体が連敗で下を向かないことが、巻き返しのためには重要となる。