クリエイトに徹し、勝負どころで仕掛ける
プレーオフファーストラウンド、ジャズvsナゲッツの第2戦。初戦ではドノバン・ミッチェルが57得点を挙げながらチーム力の差でナゲッツに敗れたジャズが、今度はチーム力で上回って124-105の完勝を収めた。
ジャズのミッチェル、ナゲッツのジャマール・マレー。攻撃の起点でありスコアラーでもある選手に両チームとも徹底的なディフェンスを仕掛ける。ミッチェルは激しいディフェンスを受け、自分でシュートに行かずにチャンスメークに徹した。前半に放ったシュートは6本のみ。得点は伸びなかったが、ディフェンスの意識を引き付けてはパスでイージーシュートの場面を作り出した。
逆にマレーはロイス・オニールのマークに苦しみ、そこに強引に仕掛けてしまいリズムを崩す。また彼に代わって攻撃をクリエイトできるニコラ・ヨキッチが納得のいかないジャッジに集中を乱されたのも良くなかった。『バブル』でブレイクしたマイケル・ポーターJr.がケビン・デュラントばりのシュート力で反撃を試みるも、61-48とジャズがリードして前半を折り返す。
前半でミッチェルは6得点、マレ―は4得点とどちらも自分の得点は伸びなかったが、チームのオフェンスを動かしていたのは間違いなくミッチェルだった。
そして第3クォーター、ナゲッツのディフェンスが自分ばかりに寄せてこないと見たミッチェルは、前半からスタイルを変えて自分で打ち始める。3ポイントシュート6本中5本成功、さらにはジョー・イングルス、ジョージ・ニアン、ロイス・オニールの3ポイントシュートをアシスト。極めつけはメイソン・プラムリーのファウルを誘ってフリースロー3本成功と、怒涛のパフォーマンスを披露。ジャズはこのクォーターで43得点を奪い、最終クォーターを前に104-77と勝負を決めてしまった。
ナゲッツは残り7分以上を残してマレー、ヨキッチを下げて早々に白旗を掲げている。
初戦でのミッチェルは57得点を挙げたが、33本のシュートを打っており何もかも自分一人でやりすぎた感がある。それがこの試合では、打ったシュートは14本のみ。自身の得点は30と半減したが、それでもチームの得点は初戦が125、この試合が124と変わっていない。一方で失点は135から105と激減した。
だから試合後のミッチェルは、ディフェンスの勝利であること、また自分ではなくチームの勝利であることを強調する。マレーのマークを担当したロイス・オニールのディフェンスを称えるとともに、彼自身の活躍については「チームメートが僕を乗せてくれたおかげだ」と語る。
初戦はエースのミッチェルとチームが噛み合わなかったが、第2戦で見事に修正してきた。まだまだシリーズは続くが、家族の事情でチームを離れていたマイク・コンリーが戻って来る。ミッチェルは言う。「コンリーが戻って来るのはかなり助かる。彼が不在の間もよく戦えていたので、あと3つ勝ちたい」