似たような特徴と異なるスタイルを持つナゲッツvsジャズ、ヨキッチ&マレーの優位をどう生かすかがカギ

似たような特徴と異なるスタイルを持つナゲッツvsジャズ、ヨキッチ&マレーの優位をどう生かすかがカギ

2020/08/17
ナゲッツ

若きエースを中心に、チームプレーを磨き上げた両チーム

ダブルオーバータイムの大熱戦を繰り広げてから1週間、ナゲッツとジャズはプレーオフのファーストラウンドで顔を合わせることとなりました。ともに堅いディフェンスと勝負強いエースで戦うチームスタイルのため、試合開始から終了までヒリヒリする緊張感と球際での激しいバトルが繰り広げられるシリーズになりそうです。

若きエースを中心に置きながら、力技ではなくチームプレーを徹底する完成度の高いバスケットは、お互いにワンプレーにこだわった緻密な戦略の戦いでもあります。シリーズが進むほど、バスケットの真髄を味わうようなプレーが展開される至高の戦いになるでしょう。

似たような特徴を持つ両チームですが、ニコラ・ヨキッチを中心としたナゲッツのオフェンスは流動的にポジションを変えていき、多くのパスを繋ぐスタイルで、徹底的にディフェンスを振り回してきます。ペースが遅いにもかかわらずリーグ4位のアシスト数は、パスゲームの面白さを感じさせてくれます。

一方でジャズのオフェンスは、的確なポジショニングとパスでフリーを生み出す論理的なスタイル。しかし流動的に動き回るのではなくコートを広く保つことを意識し、リーグ最多のドライブでスペースを切り裂きます。アシスト数はリーグ26位、ナゲッツとは対照的なオフェンスを展開しています。

このスタイルの違いはエースのプレーにも違いが出ていて、ヨキッチが動き回って何度もパスをもらい直して中継役になるのに対して、ドノバン・ミッチェルはじっくりとボールを持って大きなパスでチャンスを作る起点役になっています。互いに相手エースを止める手段を講じる必要がありますが、ヨキッチに対してセンターのルディ・ゴベアが追い掛け回してパスを阻害するのは難しく、ミッチェルを止めるはずのゲーリー・ハリスはいまだに出場していません。それぞれマンマークでは解決できないため、チームとしてどんな工夫をしてくるのかが注目されます。

シーディングゲームが始まった当初のナゲッツはガード陣が揃ってケガをしており、ビッグマンを並べるラインナップを試しました。プレーオフでここまで極端なラインナップを使いはしないでしょうが、ポイントガードもこなせるヨキッチだけに、サイズの優位性を上手く活用できる点はポイントになりそうです。

ジャズにはゴール下で圧倒的なディフェンス力を発揮するゴベアがいるため、攻略するのは簡単ではありません。ところが前回の対戦でもゴベアがファウルトラブルになるとジャズは攻守に苦しみ、ゴベアが退場するとナゲッツに一気にペースを持っていかれました。ナゲッツがゴベアの脅威を避けるのか、それとも積極的に向かっていきファウルトラブルを誘うのか、試合前半の駆け引きが終盤に影響を与えそうです。

ビッグマンが少ないジャズは前回の対戦でチーム史上最多となる55本の3ポイントシュートを放ち22本決めました。この試合に限らずアウトサイドから打っていく傾向が強くなってきており、シーディングゲームの平均アテンプト数ではナゲッツよりも10本多くなっています。

自分たちのサイズの優位性を生かすのか、それともアウトサイドまで追いかけられる機動力を優先するのか。スモールラインナップにも対応できる選手層があるナゲッツには、試合展開の選択権があります。

戦略面での駆け引きが多くなるシリーズですが、お互いに堅いディフェンス力が売りなだけに、最後は終盤のエース対決となる試合が多くなりそうです。ナゲッツはヨキッチとジャマール・マレーの両エースで勝負してくるのに対して、ジャズはミッチェル一辺倒で勝負。3人とも勝負強く、タフショットも苦にしない選手だけに勝敗を予想するのは困難ですが、やはりコンビで崩していく分だけナゲッツの方が優位に思えます。

デンバーとユタという事情もあって、フリーエージェントで大物を獲得するのではなく、ドラフト指名した選手を育てながらチーム戦術を強化して勝利を積み重ねきた、そんな両チームがぶつかり合うだけに、個人とチームが融合したハイレベルなバスケットを堪能できるシリーズになるでしょう。

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