トリバーの助言「リラードの精神力をDNAに宿せ!」
『バブル』シーズン再開となった時点で西カンファレンス8位だったグリズリーズは、8試合で2勝6敗と振るわず順位を一つ落とした。明日からプレーオフ進出最後の枠をかけ、8位のトレイルブレイザーズとのプレーインを戦う。
9位に順位を落としてしまったグリズリーズがプレーインを制するには2勝が必要だ。反対に順位を上げたブレイザーズは、1勝を挙げればプレーオフに駒を進めることができる。精神的にも有利なブレイザーズには『バブル』で驚異的なパフォーマンスを続けるデイミアン・リラードという絶対的なエースがいて、勢いに乗る彼らから2勝をもぎ取るのは簡単ではない。
ジャレン・ジャクソンJr.の戦線離脱が大きく響いた形だが、負ければ9位からも陥落していた最終戦で、ヤニス・アデトクンボ不在であっても東の首位であるバックスに勝てたことは、自信を取り戻す一つのきっかけになるかもしれない。ここからチームがさらにステップアップするには、今シーズンの新人王が確実と見られるジャ・モラントのさらなる奮起が求められる。
そのモラントに助言を送ったベテランこそ、シーズン途中から加入したアンソニー・トリバーだ。今シーズン開幕をブレイザーズで迎えたトリバーは、その後キングスにトレードされ、契約解除を経てグリズリーズに加わった。リラードの強靭なメンタリティを目の当たりにしてきたトリバーは、8月14日の練習後、モラントに送ったアドバイスを明かした。
「ジャには、『倒れてもすぐに起き上がるリラードこそ、お前が目標にすべき選手だ』と伝えた。1試合で60得点決める必要はない。ただ、何かにつまづいた時、結果を残せなかった時、すぐに挽回できる力を出してもらいたい。それがデイミアンを今のような選手に押し上げた。彼はすぐに挽回する。失敗しても、すぐに取り返そうとする」
「誰にでも失敗はつきもの。ジャには、『そういう気持ちをお前のDNAに浸透させないといけない。このリーグでベストのガードになれる才能があるが、本当にこのリーグでベストになりたいのなら、リラードの精神力をDNAに宿せ。すぐに挽回する方法を、チームにとって必要な形でみんなを引っ張る方法を習得するんだ』と伝えた」
無論、トリバーはルーキーにすべてを託すつもりはない。ここ3試合で平均51.3得点、9.0アシストと恐るべきパフォーマンスを見せるリラードを抑えるため、「コートに立つ5人全員で止めにいく」ともコメントしている。
トリバーが言うように、エースとしてチームを引っ張っていくのであれば、ピンチをチャンスに変えるリラードの『鋼鉄のメンタリティ』はお手本にすべきだ。モラントにとっては簡単なチャレンジではないが、負ければ終わりの状況でリラードのような精神力を覚醒させられるかどうか。両者の激突を楽しみに待ちたい。