地区首位対決の初戦、ブラウンが攻守に大活躍
2月3日、琉球ゴールデンキングスは、京都ハンナリーズをホームの沖縄市体育館で迎え撃つ西地区首位対決の初戦に79-60で快勝した。
この試合の前、地区首位の琉球は、2位の京都に7ゲームの大差をつけていた。しかし、4月にかけて川崎ブレイブサンダース、シーホース三河、アルバルク東京、千葉ジェッツといった強豪との対戦がまだまだ残っている。琉球の佐々宜央ヘッドコーチは危機感をこう語る。「後半に厳しい日程が続いているので余裕はありません。京都はウチが1勝1敗だった渋谷に先週2連勝しています。また、三河にも1勝1敗と、僕らがやっていないところで勝ちを取っているので、貯金はあると思わないほうがいい。僕の感覚で言うと、実質的には五分五分くらいです」
それだけ大事な地区首位対決の初戦、琉球を快勝に導いたのは16得点10リバウンドをマークしたアイラ・ブラウンだ。インサイドを得意とする京都に対し、ペイント内の得点で32-12と大差を付ける立役者となった。
代名詞である豪快なダンクで会場を沸かせ、150kgの巨漢である京都のジョシュア・スミスを身体を張ったディフェンスで抑えるなど攻守にわたって躍動したブラウンは、「とても良いディフェンスが試合を通してできた。そしてリバウンドで大きく優位に立てた。ガード陣もリバウンドを取りに行き、そこで上回れたのが大きかったね」と、46-30と本数で圧倒とリバウンドを支配したことを勝因に挙げる。
攻撃でも守備でも、そしてムードメーカーとしても不可欠
第3クォーター終了間際から第4クォーター序盤にかけての12連続得点など、第4クォーターに大きく突き放したことについてブラウンは、「後半になってターンオーバーが少なくなったのが大きな違い。後半は減らし、良い形でシュートを打てた。それがあってよりリバウンドを取れるようになった」と見ている。
実際、ブラウンが指摘していたように、前半で10あったターンオーバーが、後半は3つ。第4クォーターについては1つのみと、しっかりシュートでオフェンスを終えられていたことが、リバウンド奪取につながった
京都とは前回の試合で終了間際に逆転を許し68-69で敗れている。この試合で18得点を許したジョシュア・スミスを7得点に抑えられたことについては「前と違って今は、彼がどんな選手なのかより分かっている」とブラウンは言う。「彼にボールが渡ったらプレッシャーを積極的にかけていき、パスを出させるようにした。彼は本当に重いし、当たりが強いビッグマンだ。少しでもリングから遠い位置でボールを持たせる。そして、味方がダブルチームに来てくれることを期待していたよ(笑)」
高みを目指して「毎試合良くなっていく」
この日、A東京がレバンガ北海道に敗れたことで、琉球とA東京は26勝7敗でリーグ1位タイに。現在、リーグ最高勝率の座を巡る争いは25勝8敗のシーホース三河と、各地区の首位による三つ巴の激戦となっている。
ただ東地区は、中地区と西地区と比べて頭一つ抜けるレベルを誇る。また、三河には常勝チームとしての圧倒的な実績があり、この3チームを比較すると成績自体は同じでも琉球が一歩後ろにいる、という見方がある。
それでもブラウンは「僕たちが東京や三河よりタレント力で劣っているとは思わない」と琉球の強さに自信を見せる。同時に、その力を過信することはない。「強豪と呼ばれるチームはターンオーバーが少ない。そして彼らは僕たちのミスをうまく突いて得点をしてくる。相手のプレッシャーに対してしっかり準備し、もっとボールをしっかりケアしないといけない」
「まずはレギュラーシーズンで全体1位になってホームコートアドバンテージを得ることだ。多くのタフなゲームが控えているが、これから毎試合良くなっていくことを目指すメンタリティが必要だ。2位や3位でもいいという考えではダメだ」と、地区首位ではなくリーグ全体のトップを目指すことが重要と語るブラウン。だからこそ、今日もしっかり勝つために油断はない。
「京都は連敗はしないとプライドを持ってくる。今日みたいな展開にはならない。もっと良い戦いをしてくるはずで、そのための備えをしないといけない」
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