文=鈴木栄一 写真=鈴木栄一、野口岳彦

負けられない川崎戦、10得点で勝利に貢献

1月27日、千葉ジェッツは敵地に乗り込み川崎ブレイブサンダースと対戦。前日に敗れており、同地区のライバル相手に連敗は避けたい中で、88-85と競り勝った。この試合で原修太は、10月15日の栃木ブレックス戦以来の2桁得点となる10得点をマークし、勝利に貢献している。

最終的なスコアは接戦となったが、第3クォーター終了時点で千葉は26点と大量リードを奪う楽勝ペースだった。それだけに何とか逃げ切ったものの、第4クォーターの試合運びは反省だらけとなってしまった。

「前半も良かったですが、(33-8と圧倒した)第3クォーターの出だしでディフェンスが良く、そこから速攻を出せたこと」と原は勝因を語る。もちろん、第4クォーターの課題に振れることも忘れなかった。「昨日の自分たちがそうだったように、追い上げるチームのエナジーはすごいです。第4クォーターはオフェンスでノーマークからシュートを打てていましたが、それが入らなかったことで、オフェンスにばかり意識が行ってしまいました」

一方で怒涛の追い上げを受け、会場が川崎への声援で大盛り上がりになっている中でも原本人は、「(西村)文男さんがポイントガードをやっていたので焦りは全くなかったです」と、冷静にプレーできていたことを強調する。

「自分のやるべきことに集中するだけです」

今シーズンの原は開幕前にユニバーシアードに出場したことで、チーム合流が遅れた。そのためのコンディション不良で出遅れた感があったが、11月11日の試合からここまで先発出場が続いている。しかしその一方で、特に強豪チームとの対戦になると、試合序盤のファウルトラブルなどのミスもありチームの期待に応えきれず、プレータイムが短い試合が続いていた。

それでも踏ん張りどころとなる大事な一戦で活躍し、安堵できたのではないだろうか。しかし原は「ホッとしたということはありません」と否定する。「試合でも練習中も、大野(篤史)さんや先輩方から学ぶことばかりで、課題である状況判断を指摘されています。他のチームよりもレベルの高いところで練習している自信はあるので焦りはなかったです」

数字にとらわれることなく「自分のやるべきことに集中するだけです」と原は言う。「早々にファウルを2つやったり、コミュニケーションミスがあって1人の選手に2人がついてしまう時に自分がからんでいたりと、まだまだ改善していかないといけないです」

フォロワー1万人獲得、社長とファンとの飲み会へ

余談になるが、1月中に島田慎二社長と原のTwitterフォロワー数が1万人超えたらファンとの飲み会を実施する、という企画を千葉ジェッツが実施し、見事に2人とも目標を達成した。取材した27日の試合を終えた段階では、原は企画についてこう語っていた。

「1万人に行くのか不安ですが、チームの皆さんの協力もあって入団した時からフォロワー数が増えているのはありがたいです。ちなみに言い出しだのは社長なので、それだけは言っておきます。最悪、1万人に届かなくても社長には勝ちたいです」

この時点でホスト役としてのマインドセットは準備万端の様子。飲み会に参加するファンは、彼にバスケットボールのことを聞くと思うが、「社長のずるいのがアダルトメンバーを集めようとしているところです。そうなるとジェネレーションギャップがあるので不安です。例えば伊藤(俊亮、原の14歳年上)さんは幅広い知識を持っているのですが、それでも分からないことがあるので……」と不安がないわけでもないようだ。

「正直、しゃべりは得意ではありません。他の選手も来てくれて、伊藤さんなどがフォローしてくれることを期待しています」と、伊藤へ熱烈ラブコール。飲み会の席でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、ホスト役としての原の活躍にも注目したい。