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ブレイザーズはデュラントではなくオデンを1位指名

先日行なわれたオールスター・ドラフトの結果、西カンファレンスからスターターに選出されたウォリアーズのケビン・デュラントは、レブロン・ジェームズが率いるチーム・レブロンの一員としてプレーすることが決まった。

初めて導入された『チーム・キャプテン制』で、ドラフトの模様は中継されなかった。オールスターに選出された選手の中で、一番最後に指名される選手の心情を配慮しての判断だったと言われているが、デュラントは空気を読まず、ドラフト当日に行なわれたティンバーウルブズ戦の試合後、自分でレブロンから全体1位で指名されたことを明かしてしまった。

デュラントは、コートでのインタビューで「やっと全体1位で指名してもらえたよ」とコメント。この発言を知ったトレイルブレイザーズは、後に公式Twitterアカウントで謝罪ツィートを投稿。これが話題になっている。

もちろん、これはブレイザーズなりのジョークだ。2007年のドラフトで全体1位指名権を保持していたブレイザーズは、デュラントではなく、グレッグ・オデンを指名。デュラントは全体2位でサンダーの前身スーパーソニックスから指名された。あくまでも『たられば』の話だが、もしブレイザーズがデュラントを指名していたら、NBA史は大きく変わっていたかもしれない。

 当時のブレイザーズには、2006-07シーズンの新人王に輝いたブランドン・ロイが在籍したばかりか、2006年のドラフト全体2位で指名されたラマーカス・オルドリッジ(現スパーズ)もいた。もしデュラントが加わっていたら、この『ビッグ3』によりブレイザーズが一時代を築いていた可能性はある。

さらに言えば、ブレイザーズはデュラントがNBA選手になってから5年後の2012年のドラフト全体6位で、デイミアン・リラードを指名した。ロイは残念ながらケガにより早くに引退を余儀なくされたものの、オルドリッジ、デュラント、リラードというラインナップが形成されていたかもしれないと考えると、ドラフト指名順が選手のキャリアに与える影響は大きい。 もっとも、ソニックスから指名されたからこそ、デュラントはラッセル・ウェストブルックと出会い、2014年にシーズンMVP、2017年に優勝を成し遂げられたとも言える。もしブレイザーズから指名されていたら、ステフィン・カリーとのデュオも、クレイ・トンプソン、ドレイモンド・グリーンらとの『スーパーチーム』も結成されなかったかもしれない。 ちなみにブレイザーズが全体1位で指名したオデンは、ヒザの手術で1年目を全休。ブレイザーズでの5年間でわずか82試合の出場に終わり、その後ヒート、中国リーグを経て、2016年10月に現役を引退した。言っても仕方がないこととはいえ、ドラフト指名順で変わる運命は、はかないものだ。