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「トレードするなら見返りの大きなアンソニー・デイビス」

ペリカンズのヘッドコーチ、アルビン・ジェントリーは、アンソニー・デイビスのトレードに関する噂を完全に否定した。普通に考えれば、デイビスほどの選手をライバルに渡すのは愚策でしかない。

ペリカンズは、昨年のオールスターゲーム終了直後、キングスからデマーカス・カズンズを獲得し、デイビスとの超強力『ツインタワー』を結成した。このデュオのポテンシャルは計り知れないが、2月のトレード期限までに『ツインタワー』を解散すべきと唱えたレジェンドがいる。昨秋バスケットボール殿堂入りを果たしたトレイシー・マグレイディだ。彼は『ESPN』の番組内で、ペリカンズが真剣に強いチームを作りたいなら、デイビスをトレードで放出すべきと語った。

マグレイディは「もしブーギー(カズンズの愛称)とマックス契約を結んだとしよう。すでにAD(デイビスの愛称)もマックス契約を結んでいるし、ドリュー・ホリデーとも年俸2600万ドル(約29億円)もの高額契約を結んでいる。これではロスターを強化できない」と主張する。

リーグを代表するビッグマンであるカズンズが残っていれば、デイビスを交換要員として可能な限りの交換条件を交渉相手から引き出すことができる。そのほうがロスターを強化できるとマグレイディは言うのだ。

デイビスではなく、カズンズを放出するという案も考えられるが、マグレイディは「それではデイビスを放出する場合と比べて、同等の交換条件を引き出せるか分からない」と言う。

マグレイディの主張は、確かに理に適っている。ツインタワーを維持するなら、来シーズンのサラリーキャップの半分近くを割り当てることになる。キングス時代にヘッドコーチとたびたび衝突してきたカズンズを交換要員にしても、他チームが獲得に動くかは分からない。また、ペリカンズが希望するだけの見返りを得られる保証もない。

ただ、マグレイディの心配が杞憂に終わる可能性だってある。ペリカンズは12月から安定感が増し、先月から現在まで連敗はわずかに2回のみで、現在23勝21敗で西カンファレンス6位。『ツインタワー』主導でチームが結果を出せるのであれば、解散させる必要はない。雑音をかき消すためにも、3シーズンぶりのプレーオフ進出という結果を残すしかない。