「安全を守るために何が必要なのかも定かではない」
3月にシーズンが中断して以降、NBA界隈ではあらゆる憶測が報じられている。
シーズン中断当初は、4月中には再開できると見られていた。しかし新型コロナウイルスの感染者は日に日に増大し続け、NBAコミッショナーのアダム・シルバーは、4月中に結論は出せないと発表した。そして4月17日、メディアとのビデオ会見に応じたシルバーは、今はまだシーズン再開や中止の決断を下す段階にすらないと語った。
「外部の関係者や公衆衛生にかかわる関係者の話を基準に考えれば、我々はまだ結論を出せる段階にない。いつ結論を出せるかも分からない」
シルバーは今後の感染者数やワクチンと予防薬の開発状況、政府レベルによる方向性をモニターしている段階とも答えた上で、はっきりしていることは何一つないと強調した。「結論を出すには、あらゆるデータを参考にしないといけない。たとえば、A、B、Cという事柄が揃って初めて先が見える。今はまだ、今後の方向性を決めるにははっきりしないことが多すぎる。最も大事なのはNBA選手、全関係者が健康でいることだ」
無観客での再開、ラスベガスでのセントラル開催、そして2020-21シーズン開幕時期の見直しなど、これまでに報じられた噂についてシルバーは「検討段階」と話した。
「あらゆるアイディアを検討している。多くの案が出ているが、まだ検討段階だ。選手や関係者の安全を守るために何が必要なのかも定かではないので、具体的な動きは何もない」
不確かなことが多すぎる現状が長引くほど、2019-20シーズン中止の可能性は高まる。シルバーは「皆さんと同様に、私も質問に対する答えを持っていなくてフラストレーションが溜まっている」と、現在の心境を明かした。
「このウイルスに関する話は、あまりにも不確かなことが多い。状況は変化していて、数週間後の状況すら分からない。4月初旬に『今月中に結論を出せると思っていない』と話したのは、このためだ。念を押しておくと、5月1日になったからといって何かを発表できる状況になるわけでもない」