文=丸山素行 写真=鈴木栄一
攻守ともに圧倒し100点ゲームの完勝
天皇杯準決勝、京都ハンナリーズvs千葉ジェッツ。千葉は富樫勇樹を欠きながらも堅守速攻に加え、高確率で3ポイントシュートを成功させ、100点ゲームで圧勝した。
千葉は序盤から小野龍猛を起点にバランス良く得点を積み上げる。小野はポストアップからのミドルシュートやキックアウトパスでオフェンスを活性化させる。京都は晴山ケビンの3ポイントシュート、ジョシュア・スミスのゴール下で反撃し、残り3分で7-11と盛り返すも、晴山が3つ目の個人ファウルを犯してベンチへ下がる。ここから千葉に怒涛のランが始まった。
堅守から素早いトランジションで速攻を連発し、小野が1本、石井講祐が2本と3連続で3ポイントシュートが決まりリードを広げる。第1クォーターのラスト2分30秒で13-0のランで27-11と大差を付け、オン・ザ・コート「2」となった第2クォーターにはさらに勢いを増す。スミスとジュリアン・マブンガにボールを集めて打開を図る京都に対し、チームディフェンスで上回る。ダブルチームを嫌がったスミスがオフェンスファウルを連発し、前半だけで個人ファウルが4に到達。マブンガも2得点3ターンオーバーと、京都の強力外国籍コンビを沈黙させた。
ディフェンスでリズムをつかんだ千葉は再び速攻を連発しリードを広げていく。西村文男がボールをプッシュしアキ・チェンバースがフィニッシュ。レオ・ライオンズがリングへアタックし、確実にフリースローで加点していく。この3人がこのクォーターでそれぞれ6得点を挙げ、50-27と大量リードを奪って前半を終えた。
小野「本当に良いゲームだった」
「40分間集中してやり続けられた」と西村が言うように、千葉は後半に入ってもペースを落とすことなくチームバスケットを遂行。第4クォーター残り7分29秒、京都は得点源であるスミスが5ファウルに到達し万事休す。残り45秒、伊藤俊亮がオフェンスリバウンドからゴール下のシュートを沈め100点に到達。最終スコアは100-63、千葉が2年連続の決勝進出を決めた。
大野篤史ヘッドコーチは「ディフェンスのマインドセットをして、ディフェンスからトランジションオフェンスに持ち込めたことが勝因です」と試合を振り返った。
「京都が多く使っている4つのプレーについて確認し、その対策を選手が遂行してくれた。スミスに良いポジションでボールを持たれないこと、その前の選手にプレッシャーをかけて爪の先でいいからディフレクションすること。3ポイントを打たれないためにスイッチローテーションすることを選手が実行してくれた」と京都対策を的中させた選手たちを称えた。
小野も「出だしからみんなタフにアグレッシブにディフェンスをして、しっかりと自分たちの走るバスケができた。(オフェンスでは)自分のミスマッチがあるのでそこをしっかりと突くことができた」と試合を振り返り、「本当に良いゲームだった」と満足気な表情を浮かべた。
連覇へ向けて、あと1勝。明日の決勝はシーホース三河と川崎ブレイブサンダースの勝者と対戦する。
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