NBA

リーグと選手会が協議を開始するも決断はまだ先

3月から2019-20シーズンの中断という形を取っているNBAが、ついに今シーズン終了の可能性を検討し始めたと『ESPN』が報じた。

『ESPN』によれば、今週に選手会とリーグが協議の場を設け、NBAがシーズン終了という選択肢を検討し始めたとのこと。現段階ではシーズン再開の可能性もあるものの、もともとNBAが探っていたとされる『6月再開、8月にNBAファイナル』というプランの実施には、2020-21シーズンの日程を後ろ倒しにするなど問題が多い。またラスベガスでのセントラル開催という案も、リーグ関係者や放映関係のスタッフ、メディアまで相当な人数が一つの場所に集まることになり、感染のリスクは無視できない。

そもそも、新型コロナウイルスの検査体制が整っておらず、何をもって安全とするかの基準が定まらないことが、NBAがシーズン再開を決断できない最大の要因だ。

ただ、現時点で決断を下す必要はない。本来のスケジュールであれば今はまだレギュラーシーズンも終わっていない時期であり、1カ月から2カ月は情勢の推移を見定めつつ、再開の見通しが立つまでに状況が改善するのを待つことはできる。

もしシーズン終了となれば、NBAが被る損失は数十億ドル(数千億円)単位になる。そのため、球団オーナーとリーグは、可能であればポストシーズンの試合を開催し、試合関連収入を得たいと考えていた。だが、アメリカ国内の情勢を見る限りでは、最悪の事態も想定しておく必要がある。

もっとも『最悪の事態』は来シーズン開幕以降にまで影響が及ぶことだろう。振るう見えない敵の前に、NBAは大きな決断を迫られている。