文=鈴木健一郎 写真=野口岳彦

3Pコンテストは山本千夏、スキルチャレンジは本川紗奈生

12月16日、大田区体育館にてWリーグのオールスターゲームが開催された。オールスターゲームでは渡嘉敷来夢がゲームハイの22得点に加え、11リバウンドでダブル・ダブルを記録。序盤からチームを勢いに乗せてMVPを受賞した。

試合に先立って行われたのが3ポイントシュートコンテストとスキルズチャレンジコンテスト。会場はまずはここから盛り上がった。

3ポイントラインに沿って置かれた5カ所のシューティングスポットから計25球を制限時間1分でどれだけ決められるかを競う3ポイントシュートコンテストでは、三好南穂、長岡萌映子、宮澤夕貴、山本千夏が決勝に進出。三好がクイックリリースでテンポ良く決めて22得点をマークしたが、山本が得点が倍になるマネーボールを4本中3本沈め、全球マネーボールに設定した右コーナーからの最終レーンで5本中4本を沈めて勝利。

「普段の練習では300本ぐらい打つ」という山本千夏はこれで3ポイントシュートコンテスト3連覇。「すごく緊張して、考える余裕もなかったのが良かった。3Pコンテストだけでなく試合でもたくさん決められて楽しい一日になりました」と振り返った。ちなみに山本はその後に行われたオールスターゲームで迷いなく放つ3ポイントシュートを9本中6本沈め、20得点の活躍を見せている。

大神と吉田の『ガチンコじゃない』対決

スキルズチャレンジコンテストでは、1回戦で大神雄子vs吉田亜沙美のマッチアップが実現。1回戦とあって真剣モードではない対決の中、前夜祭で「どんな手を使ってでも勝ちたい」と話していた吉田が、勝負度外視で2人でパス交換をする流れから大神のボールを全く違う方向に放り出してゲームを続ける荒業で勝利。ただ、その吉田をトヨタのチームメートである水島沙紀が2回戦で破りリベンジ。決勝は水島と本川紗奈生の対戦となったが、パスで苦戦した水島をかわした本川が勝利した。

本川はこれでスキルズチャレンジコンテスト3連覇。「途中までは勝たせてもらいましたが、最後は真剣勝負で勝てたので良かったです。来年もチャンスがあれば4連覇を狙いたい」とコメントした。

22得点11リバウンドでMVPに輝いた渡嘉敷「良い一日」

その後に行われたオールスターゲームでは、チームEASTが第1クォーターから30-19と飛ばし、前半で21点差を付けた。チームWESTは最終クォーターに大神を中心に『本気モード』となり追い上げたが及ばない。どちらも守備のプレッシャーは公式戦に比べて甘く、こうなるとシュート成功率が高い打ち合いの展開に。2点シュートの成功率が両チームとも60%を超える打ち合いの末、最終スコア101-82でチームEASTが勝利している。

特に序盤に得点を量産してチームの勝利に貢献した渡嘉敷来夢が初のオールスターMVPを受賞。27分のプレータイムでゲームハイの22得点、リバウンドでもゲームハイの11とダブル・ダブルを記録。「とても楽しい一日になりました。次はオールジャパン、リーグでも応援をお願いします」と大田区体育館を埋めた2985人の観客に呼び掛けた。

敗れたチームWESTからは大神がMIPに選出された。「負けたのは悔しいです」と前置きしながらも、「何よりみんなが笑顔で終われて、観客の皆さんにも笑顔を届けられたのが良かったと思います」と満足気に試合を振り返った。