Bリーグが約1カ月ぶりに再開、無観客で試合を実施するチーム代表たちの『複雑な思い』

Bリーグが約1カ月ぶりに再開、無観客で試合を実施するチーム代表たちの『複雑な思い』

2020/03/15

千葉ジェッツ

船橋アリーナでは「いつもと同じ会場の雰囲気を」

Bリーグは昨日から観客を入れずに公式戦再開となった。どのチームも試合を行うのは4週間ぶり。日本代表の試合があったためにリーグが1週間空いたのだが、そこから新型コロナウイルスの影響で今日まで再開できなかった。

船橋アリーナのスタンドには『コロナニショウリ GO JETS』のメッセージが描かれた。

千葉ジェッツの米盛勇哉代表は無観客試合の開催に際して「まずは何をやる、やらないを整理しましたが、その中でなるべくいつもと同じ会場の雰囲気を作ることを考えました」と説明する。「お客さんは座りませんが、1階席はすべて出しました。選手からしたら、いつもある席がないとリングを見る際の遠近感が狂ってしまうのではないか。いつもの雰囲気に近づけるために、会場も赤くしています。選手のためでもあるし、配信を見るブースターの方々のためにも決めました」

サンロッカーズ渋谷と秋田ノーザンハピネッツの試合が行われた青学記念館には、秋田の水野勇気社長の姿があった。今日はアウェーゲームだが、来週末には千葉との連戦、その次の水曜ナイトゲームでSR渋谷戦とホームゲームを控えている。

地方の地域密着型クラブにとって、入場料収入が途絶える無観客での開催は大打撃。水野社長も「無観客試合がもっと続くかもしれないし、リーグが中断する可能性もあります。この先、感染が収まるのか続くのかは読めないので、先行きは不透明です。いろんなケースを考えながら危機を脱していくよう考えています」と語る。

ただ、リーグ再開に際して少しホッとした感もある。「まずは再開できたことですね。日本のスポーツ界の中で再開を決めたことは一つのステップです。秋田は10年目なのですが、クラブができた1年目に東日本大震災があって、当時はbjリーグでしたが、いろんな議論がある中で再開しました。当時を思い出したんですけど、こういう閉塞感がある中でお客さんに来ていただいて、今回は映像を通してになりますが、皆さんに元気を与えられる存在だと当時も思いましたし、今回もその役割を果たしたいと思います」

レバンガ北海道

「選手の安全を守るというリーグの判断は正しい」

おおきにアリーナ舞洲では、島根スサノオマジックに勝利したホームチームの大阪エヴェッサの選手たちが、無観客であるにもかかわらず四方のスタンドに礼をしてコートを去った。配信を通してでも『見られている』意識の表れだろう。

一方でアルバルク東京をホームに迎える滋賀レイクスターズでは、外国籍選手の3名すべてが欠場した。新型コロナウイルスの問題がある中、選手から健康不安、家族の健康上の理由から出場が困難との申し入れがあり、クラブが受け入れた。

そして、とどろきアリーナでは、川崎ブレイブサンダースvsレバンガ北海道の試合が中止に。北海道の3選手に微熱が求められ、両チームの代表とリーグで協議をして中止を決めた。北海道の横田陽代表は、試合開始直前まで準備を進めていたのは、厚生労働省のガイドラインをベースにしたBリーグの行動指針に則ったものであり、3選手の症状では試合中止には至らないものだったこと。それでも選手の安全を担保するには難しいと判断して、協議を持ったことを明かしている。

「やりたいやりたくないというより、基本的には全クラブが合意のもとに決まったルールに従おうとしていました。今日の試合もベンチ入りの選手数をクリアしている以上、チームとしては与えられた中でやるという意識。今回の結果はリーグの判断なので、リーグが選手の安全を最優先した判断に対しては支持します」と横田代表は語った。

川崎の元沢伸夫代表は「川崎と北海道、両クラブがSNSを通じて多くのメッセージをいただいており、試合をお見せできず残念というのが率直な気持ち」と打ち明けるも、「選手の安全を守るというリーグの判断は個人としては正しいと思う。クラブとして思うところがあればリーグには提言するが、最終決定はリーグがする、それでいいと思っています」と語る。

千葉の米盛社長は言う。「NBAでは感染者が出て即刻中止が決まりました。選手たちは複雑な心境で試合に臨んでいると思います。私自身にもブースターの皆さんの声も届いているので、無観客でやることに複雑な思いがありますが、皆さんの声が私やスタッフの励みになっています。世の中が暗い雰囲気になっているのを元気にしたい。この難局をチームとファンが一体になって乗り越えたい」

リーグ再開の是非は議論は呼ぶところだが、少なくとも現時点で正解はない。昨日分かったのは、主役である選手たちは様々な思いを抱えていること、各クラブは安全面に最大限の注意を払っていること、そしてリーグの対応は『開催ありき』ではなかったこと。先行きも見えない状況で試合を行う中で、『バスケで日本を元気に』の理念が実践されていくことを願いたい。

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