「クラブにとって厳しい状況であるのは間違いない」
新型コロナウィルスの影響で中断期間を迎えていたBリーグは、今週末から無観客での試合実施を決めた。
今のところ、第28節から32節を無観客で行うことが決定しているが、NBAがリーグを中断するなどスポーツ界への影響は拡大し、楽観視できる状況ではない。レバンガ北海道の折茂武彦は、無観客での試合実施について複雑な胸中を明かした。
「日本だけではなく世界中で感染者が増えている中、今回のBリーグの判断は非常に苦しい中でのものであったと思います。これまでを振り返って、北海道に来てからは本当にたくさんの人に応援していただいてこれまでやって来ることができたという想いがあるので、ファンの方々がいない中でプレーするということに意味があるのだろうかと、選手として率直に思ってしまう部分もあります」
チーム存続の危機をファンと力を合わせて乗り越えた過去があり、ファンへの思いが誰よりも強い折茂が、無観客でプレーする意義を見い出せないとしても無理はない。それでも折茂は「今回の決定が今後意味のあるものになっていけるようにしなければいけないとも思っています」とリーグの判断を尊重するとともに、「今はこの現状を選手として受け止め、しっかりと準備してプレーをしていくしかないと思います」と、目の前の試合に集中している。
そして、選手と経営者の二足の草鞋を履く折茂は経営者側目線での意見も展開した。
「リーグ戦の一部が無観客での開催となるなどの現状は、クラブにとって非常に厳しい状況であるのは間違いないです。これまでたくさんの方が支えてくださったおかげでようやく経営的にもプラスの状態を作れるようになってきていましたが、今回のことでマイナスに陥ってしまうことも考えられるほどの事態であると受け止めています。ただ、自分たちがコントロールできるものではないので、自分たちが今やれることをやっていくしかないのかなと思います」
今シーズン限りでの現役引退を表明している折茂にとって、1試合1試合が引退へのカウントダウンとなる。残された時間がわずかだからこそ、折茂はクラブの理念をブラさずにプレーし続けることを誓った。
「我々のプレーを通して、北海道から明日への活力を届けるということをクラブのスローガンにしているので、このような難しい状況の中でも最後まで諦めないプレーをすることで、少しでも皆さんに元気を届けることができればと思います」
北海道は明日、中地区首位の川崎ブレイブサンダースのホームに乗り込む。
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