ジェイソン・テイタム

タレント揃いのセルティックスでエースへと飛躍

NBAは2020年2月の月間最優秀選手賞を発表した。東カンファレンスから選出されたのは、2月の試合で平均30.7得点、7.9リバウンド、フィールドゴール成功率49.4%、3ポイントシュート成功率48.1%をマークしたセルティックスのジェイソン・テイタムだ。

2019-20シーズンはテイタムにとってブレイクスルーの年となった。今シーズンは平均23.5得点、7.1リバウンド、3ポイントシュート成功率39.6%をマーク。いずれのスタッツも2018-19シーズンを上回っているが、特に得点は8点ほど向上しており、テイタムがエリートスコアラーの仲間入りを果たしたことを示す。

『The Ringer』によれば、昨年の夏にテイタムは3ポイントシュートとレイアップを増やすために猛特訓を積んだ。これは近年の効率を重視したNBAのトレンドに合わせてのもの。デビューから2シーズンはシュートの半分以上を占めたミドルレンジからのシュートを減らし、3ポイントシュートとゴール下でのレイアップを増やすのが目的だ。

3ポイントシュートはもともと苦手ではない。今シーズン、ミドルレンジからのシュートが全体の3分の1以下に減った一方で、3ポイントシュートの割合は16%から44%へ急増した。

では、インサイドに切り込んでの得点はどう増やしていったのだろうか。テイタムはより効果的にアタックするために、自分が得意とするプレーのいくつかを封印した。歩幅の大きいドリブル、ゴール下でのコンタクト、フローターといったプレーは、今シーズンになってできるだけ避けている。

代わりに取り入れたのは、ジェームズ・ハーデンやブラッドリー・ビールを参考にしたより効率的なドライブ。レイアップではボールを持ち上げるタイミングを早め、ファウルを誘う動きを学んだ。その結果、ゴール下のシュート成功率は約10ポイント上がり、フリースローの数も増えた。

ヘッドコーチのブラッド・スティーブンスは、テイタムには無限の可能性があると称賛した。

「彼はあの若さですごいことを成し遂げている。彼が現状に満足しているとは思わないが、彼の成長は素晴らしい。すべての面において昨シーズンより進歩しているというのは良い兆候だ。彼には勇気づけられているよ」

そのテイタムが体調不良で欠場した3日のネッツ戦、セルティックスは120-129とオーバータイムの末に敗れている。チームは41勝19敗で東カンファレンス3位と好位置につけているが、ここからさらに成長してプレーオフを勝ち抜くためには、タレントが揃う好チームである現状からもう一段階ステップアップして、絶対的なエースが欲しいところ。そこで期待されるのは躍進を続けるテイタムだ。