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チーム改革に乗り出すブルズ、ポイントガードを探すニックスの双方にプラス

現段階では噂レベルの話だが、成立すれば双方にとって悪い話ではない。

ジミー・バトラーとローズの共存が期待されたブルズだが、2015-16シーズンは機能せず、プレーオフ出場を逃すという屈辱を味わった。この失敗を機に、バトラーを中心とするチーム作りを進めるべきという意見も多い。

ローズはブルズ最大のスター選手ではあるが、ひざを痛めてからは故障続きで、以前のような爆発的な動きが見られなくなった。来シーズンいっぱいで契約満了、フリーエージェントになるため、今夏の放出を検討していると噂される。

ただ、年俸の高いローズをどのような条件で放出するか。コンディションの不安は織り込み済みで、それでもなお、ローズのプレースタイルと経験を必要とするクラブでなければ、獲得することはないだろう。

その条件に当てはまるのがニックスだ。現在のロスターで純粋なPGと呼べるのは、スペイン人ガードのホセ・カルデロンのみ。新ヘッドコーチに就任したジェフ・ホーナセックは、アップテンポのオフェンスを好む指揮官で、スピードとドライブ技術に優れるローズがフィットする可能性は高い。

エースのカーメロ・アンソニーが32歳となった今、名門再建にかけられる時間は限られている。幸い、1年目から良い意味で期待を裏切ったクリスタプス・ポルジンギスの今後の成長も見込めることから、ローズが加わることでチームケミストリーが生まれるかもしれない。

仮にトレードが成立して、ローズがニックスでも復活できない場合でも、来シーズン終了後には契約満了となるため、リスクも最小限、という利点もある。

2008年のドラフトでブルズから全体1位で指名され、1年目からエース級の活躍。2010-11シーズンには史上最年少となる22歳と6カ月でシーズンMVPを受賞した。だが、翌2011-12シーズンのプレーオフで左ひざ前十字靭帯断裂の大ケガを負ってその後の2シーズンを棒に振る。直近の2シーズンもかつてのパフォーマンスを取り戻せず、27歳にして「全盛期を過ぎた選手」と見なされるに至っている。

ローズにとっても直近のパフォーマンスには全然満足していないはず。来シーズンはブルズ以外のジャージーを着て心機一転、彼自身がキャリアの再出発を選択する可能性も十分にある。