藤井祐眞のバスケット・カウントで勝負アリ
1月31日、川崎ブレイブサンダースは本拠地でアルバルク東京と対戦。第3クォーターに得意の3ポイントシュート攻勢で流れをつかみ、86-76で勝利を収めている。
第1クォーターはともに激しい守備を見せるが、タフショットを沈めたA東京が18-14とリードを奪う。第2クォーター早々、川崎は大塚裕土、ジョーダン・ヒースの連続3ポイントシュート。さらにジャマール・ソープのオフェンスリバウンドからヒースへのアリウープダンクと畳み掛けて22-19と逆転。しかし、A東京はこの直後、菊地祥平のバスケット・カウント、アレックス・カークのダンクなど連続11得点でやりかえしてすぐに再逆転。A東京の37-35と互角の展開で前半を終える。
試合が動いたのは第3クォーターだった。A東京の指揮官ルカ・パヴィチェヴィッチが「前半は良い流れでプレーしていたが、後半の出だしでディフェンスがソフトになって3ポイントシュートを決められてしまった。そこでビハインドを背負ったことが敗因となった」と悔やんだように、川崎の長距離砲が爆発する。
特に大きかったのはお祭り男、辻直人の活躍だった。早々に3ポイントのシューティングファウルを獲得すると、さらに3ポイントシュート2本成功と、このクォーターで8得点をマーク。川崎の佐藤賢次ヘッドコーチは、「辻の3ポイントが決まったところから相手のディフェンスが崩れ始めた」と言う。この辻の活躍が起爆剤となり、第3クォーターの川崎は3ポイントシュート7本中5本を成功させ、27-15とビッグクォーターを作ってリードを2桁に広げた。
第4クォーター、勢いに乗る川崎は残り6分半にリードを15点にまで広げた。A東京も残り1分で6点差に迫る追い上げを見せるも、ここで藤井祐眞がバスケット・カウントを沈めて勝負アリ。川崎が上位対決の第1ラウンドを制した。
「試合を通して自分たちのディフェンスができた」
川崎の佐藤ヘッドコーチは、試合をこう総括する。「試合を通してインテンシティが高く、自分たちのディフェンスができたゲームでした。前半は良いシュートを打ってもそれが入らず、相手にシュートを決められる苦しい時間もありました。ただ、やるべきことをブレずに40分間やれたことが勝因だったと思います。それが後半に効いてウチの流れになりました」
第4クォーターに試合を支配、見事なゲームクローザーぶりを発揮した藤井だが、第3クォーター途中に4つ目のファウルを喫した中で第4クォーターは10分のフル出場だった。「退場になってしまっても辻さんがいる。ノーファウルを意識しながらもディフェンスは前からしっかりプレッシャーをかけていこうと考えていました」
このように心境を語る藤井は、「相手のチームファウルが溜まっていたのでフリースローで点を取れるのが一番と思っていた」と続けており、実際に第4クォーターでフリースローを7本すべて成功させて17得点を挙げている。
この試合からジョーダン・ヒースが故障から復帰した川崎にとって、今日も勝って連勝できれば、天皇杯以降の嫌な流れを断ち切る大きな契機となれる。だが、天皇杯で敗れてもいるA東京は、直接対決で3連敗は避けたいと必勝を期して臨んでくる。お互いの意地がぶつかり合う激闘が今日も繰り広げられるはずだ。
1月31日のB1 2試合の結果
川崎86-76A東京
島根79-90千葉
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