「バスケットボールはチームゲームなんだ」
京都ハンナリーズは、1月25日、26日と敵地で川崎ブレイブサンダースと対戦。26日は大敗を喫したが、25日には競り合いを制し1勝1敗で終えた。一時は13連敗によって黒星が大きく先行した京都だが、現在は15勝17敗と5割復帰が目前に迫っている。
この復調の要因を京都の大黒柱ジュリアン・マブンガはこのように見ている。「チームの強みにフォーカスできている。課題になっていたリバウンド、トランジションディフェンスも良くなっている。そして13連敗中に比べるとコンディションが良い。連敗中はデイブ(デイヴィッド・サイモン)と俺が何試合か欠場している。今はみんな揃ってプレーできており、それによってケミストリーも良くなっている」
マブンガ自身の調子についても「コンディションは100%ではなく、足首に痛みもあるけど問題ないよ。ハードにプレーできている。また、しっかりと身体のケアをできている」と、好調なチームと歩調を合わせるように上がってきている。
今シーズンも彼は自ら得点を挙げるだけでなく、抜群の視野の広さとピンポイントパスでアシストを量産。1試合平均19.4得点、7.1リバウンド、8.9アシストと、リーグNo.1のオールラウンダーとして活躍している。
25日に勝った試合でも22得点13アシスト8リバウンドとトリプル・ダブルまであと一歩に迫った。しかし本人は「自分のプレーはそんなに良くなかった」と7ターンオーバーを喫したことに反省し、周囲のおかげで勝てたと強調している。
「俺には素晴らしいチームメートがいる。誰か調子が悪い時は、他の誰かがステップアップしてくれる。だからバスケットボールはチームゲームなんだ」
「プロバスケットボール選手だから特別と思ったことはない」
マブンガといえば、コート上での華麗なプレーに加え、コート外での熱心なファンサービスでも人々を魅了する。例えばオールスターが行われた週末にはB2バンビシャス奈良のホームゲームに足を運び、そこでファンと一緒に声援を送っている姿が話題になった。
「奈良の試合に行ったのはヘッドコーチ(クリストファー・トーマス)が旧知の間柄だし、元チームメート(滋賀時代の同僚である横江豊)がいたからだ。コーチは僕を母校のマイアミ大(オハイオ州)にリクルートしてくれた人物だ。それに対戦相手の福岡には、プロ1年目のイタリアでチームメートだったケビン・ピンキニーがいたしね」
このように理由を語るマブンガだが「バスケットボールをプレーするだけでなく、見に行くのも好きだからさ。これからもタイミングがあったら試合観戦に行くつもりだ」と続ける。
そして他の観客と一緒になって楽しむ理由をこう語る。「自分のことをプロバスケットボール選手だから特別と思ったことはない。みんなと同じ普通の人だよ。ファンと触れ合うことは好きだし、彼らのサポートには本当に感謝している。彼らへの愛を示したいんだ」
冒頭で触れたように今の京都は、右肩上がりで5割復帰も見えている。マブンガも「今、自分たちのプレーは良くなっていて、自信も高まっている。引き続き良いプレーを続けていくこと。そこだけに集中していく」と目の前に試合のことしか考えていない。この一戦必勝の姿勢を継続していく京都が、後半戦に入って台風の目になる可能性は十分にある。
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