終盤に5点差まで迫るも安定感で勝ったA東京
アルバルク東京vs富山グラウジーズの第1戦。第2クォーター途中、富山はスコアラーのレオ・ライオンズが足を負傷するアクシデントに見舞われた。宇都直輝やアイザック・バッツが奮闘し、最終クォーターには5点差に迫る場面も見られたが、その後にミスマッチを突かれるなど、終盤の試合巧者ぶりが光るA東京の牙城を崩せずに71-82で敗れた。
序盤は強度の高いディフェンス合戦で、お互いにオフェンスファウル、24秒バイオレーション、ターンオーバーを誘発することに。だが、ドライブ&パスアウトを繰り返すA東京の連動したオフェンスに富山はディフェンスローテーションが間に合わず、高確率で3ポイントシュートを射抜かれた。
前節が富山でのデビュー戦となったバッツがセカンドチャンスポイントで繋ぐも、13-21で第1クォーターを終えた。第2クォーターに入ると、バッツのインサイド、ライオンズの3ポイントシュートなどで点差を縮め、残り6分39秒には船生誠也の3ポイントシュートで2点差と迫った。だがこの直前に、ドライブしたライオンズが足を痛め、続行不能となってしまった。
A東京を指揮するルカ・パヴィチェヴィッチも試合後、「ライオンズ選手は富山の中心で、通常よりも富山らしさが出ていない時間帯はあった」と語った。山田大治の奮闘でライオンズの穴を最小限に留めたが、バッツと山田の組み合わせは機動力を欠き、外角のチェックが間に合わない。結果、再びアウトサイドシュートを高確率で射抜かれることになった。こうして第3クォーター残り21秒には、この試合最大となる17点のビハインドを背負った。
「激しくハードにプレーしていた点は非常に良かった」
それでも、富山は宇都直輝を中心に粘りを見せる。宇都は攻め手がなくなった際に個人技で打開し、ドライブからの連続得点でチームに勢いを与えた。さらにはバッツがオフェンスリバウンドからのゴール下などペイントエリアで力を発揮。宇都のミドルシュートで7点差に迫った。
しかしこの直後、宇都が個人4つ目となるオフェンスファウルをコールされ、ベンチに退いたことでチームは失速してしまう。菅澤紀行の得点で5点差まで詰め寄ったが、ミスマッチを突かれミラン・マチュワンに3ポイントシュート1本を含む4本のフィールドゴールをすべて沈められるなど、終盤で勝負強さを見せたA東京に対し11点差で敗れた。
敗れた富山の指揮官ドナルド・ベックは「ライオンズ選手のケガはかなりゲームに影響を与えたと思う」と話すも、「激しくハードにプレーしていた点は非常に良かった。後半だけを見ると1点差。過去10試合の中でもディフェンスは良かった」と、ライオンズ不在ながら好勝負を演じた選手たちを労った。
試合を通じて、5人に2本の3ポイントシュートを許すなど、アウトサイドのディフェンスに難はあった。しかし、平均9.9ターンオーバー(リーグ2位)と手堅いA東京から14ターンオーバーを誘発するなど、指揮官が称えるようにディフェンスの激しさは目を見張るものがあった。また、ケガ明けの宇都がチームハイの22得点を挙げたことも富山にとっては明るいニュースだ。
トップスコアラーが不在の中、王者を相手に互角位以上の戦いを見せた富山。ライオンズの負傷は痛恨だが、敗れてもなお希望の持てる試合だったと言える。
1月25日のB1 9試合の結果
新潟60-63秋田
滋賀71-64島根
北海道76-82SR渋谷
宇都宮69-72大阪
A東京82-71富山
名古屋D93-98三河
川崎94-51京都
三遠56-75千葉
琉球-横浜