「速い、そしてハードだ」という言葉で称賛
現役時代にNBAを代表するポイントガードとして活躍し、歴代2位となる通算アシスト数(1万2091)を記録したジェイソン・キッドは、2013年に引退するまでに歴代3位となる107回のトリプル・ダブルを記録した『ミスター・トリプル・ダブル』だ。
現在はバックスのヘッドコーチを務めるキッドが、現役の『ミスター・トリプル・ダブル』ことサンダーのラッセル・ウェストブルックを、ボクシング元世界王者に喩えた。ウェストブルックを元ボクシング世界ヘビー級3団体統一王者のマイク・タイソンと比較し、「彼はバスケットボール界のタイソンだね。ジャンプボールで弾かれたボールに向かってくる様は、コーナーの椅子から対戦相手に突進するタイソンのようなもの」と評した。
「ベルが鳴った瞬間、彼はまっしぐらに相手に突き進む。コートに出ている間、彼の中にあるスピードの基準は『速い』、そして『ハード』しかない」
キッドは、昨シーズン序盤の時点で、ウェストブルックがオスカー・ロバートソン以来となる史上2人目の『平均トリプル・ダブル』を達成する可能性が十分にあると見ていた。バスケットボールIQが高く、ダブルチームあるいはトリプルチームを仕掛けられても打開できる突破力、そして広い視野を併せ持つウェストブルックは、NBAでも唯一無二の存在。コート上で見せるファーストステップの踏み込みの速さと気迫はもちろん、『殺気』まで感じさせるところは全盛期のタイソンを彷彿とさせる。
.@russwest44 with a near double-double (12p/7a) at the half against the @celtics. pic.twitter.com/XkANTc9Tby
— NBA TV (@NBATV) 2017年11月4日
ウェストブルックは、今シーズンも全力を振り絞るプレーでサンダーを引っ張っている。ポール・ジョージとカーメロ・アンソニーという強力なパートナーを得てもなお、『平均トリプル・ダブル』ペースを維持しているのは驚異的と言うしかない。
キッドは、そのウェストブルックにスピードで対抗できる唯一のポイントガードとして、ウィザーズのジョン・ウォールを挙げている。まだ先になるが、史上トップクラスのポイントガードとして名を馳せたキッドにここまで言われると、2018年1月25日にチェサピーク・エナジー・アリーナで行なわれるウィザーズVSサンダーが、ますます楽しみになる。