3ポイントシュート成功率43%を記録
ウインターカップの男子ベスト8で北陸(福井)と明成(宮城)が対戦。インターハイの直接対決で敗れた雪辱を期す明成の強い思いを、3ポイントシュートの爆発で跳ね返した北陸が86-65で快勝した。
出だし、北陸は米本信也が第1クォーターだけで3ポイントシュート6本中5本成功を含む19得点と大暴れし、29-20と主導権を握ると、北陸の10点リードで前半を終える。
後半に入ると、一時は北陸が髙橋颯太の連続3ポイントシュートなどによって57-40と突き放す。だが、ここから明成もすぐに盛り返し、北陸の63-54で勝負の第4クォーターに突入する。
ここで、北陸は再び髙橋の連続3ポイントシュート成功など、長距離砲が火を吹く。残り5分半で75-58と一気に点数を広げると、そのまま最後まで押し切って快勝。準優勝に輝いたインターハイに続くファイナル進出に王手をかけた。
勝因について北陸の重野善紀コーチは「よくシュートが入りました。それに尽きます。本当に神がかっていました」と振り返った37本中16本成功の高確率で沈めた3ポイントシュートだ。「30%から35%が目標です」と成功率について指揮官が語る中、この大一番でその目標を上回る43%の高確率で沈めた。
シュートは水物と言うが、この爆発は偶然ではなく必然だ。重野コーチは「ロングツーはもったいないので、3ポイントシュートをみんなで打っていくことをチーム全員で取り組んでいました」と、北陸は2点シュートについてはゴール下、アウトサイドシュートは3ポイントと効率性を重視した世界のトレンドに沿ったオフェンスに磨きをかけてきた。
確率ではなく本数が重要のスタイルで、1試合40本の3ポイント試投を目標とする。普段からチャンスがあったら積極的に打っていくことを強く意識してきたらこその結果だった。
「米本君から『かましてやろうぜ』と言われた」
北陸は髙橋、米本の2人がともに28得点をマーク。冒頭で触れたように前半に圧巻のパフォーマンスを見せた米本は後半に限れば3ポイントシュート1本成功のみに終わったが、ここで逆に前半は3ポイント6本中2本成功に終わった髙橋が後半に12本中6本成功と大活躍。
髙橋は「1年間、2人でチームのシューターとしてやってきました。試合前、米本君から『かましてやろうぜ』と言われていました」と、北陸の誇るスナイパーコンビがしっかりと互いを補完しあった。
また、「相手はインターハイのリベンジでモチベーション高く臨んでくる。でも明成は下級生主体のチームなので、上級生主体の自分たちが負けてはいけない」と意識して戦い、まさに有言実行を果たした。
振り返れば準優勝に輝いたインターハイも北陸は試合を重ねるごとに調子を上げていた。そして「インターハイと同じように試合を重なるごとにまとまっている。成熟している感じが見られます」と重野コーチは同じ雰囲気を感じている。この今の勢いを準決勝でも継続できれば、夏に続くファイナリストへの道は自然と拓けてくる。