文・写真=鈴木栄一

試合開始から10-0のラン、そのままリードを保つ展開に

9月30日、琉球ゴールデンキングスが本拠地でサンロッカーズ渋谷と対戦。前日はSR渋谷の堅いディフェンスに封じ込まれ54-73と完敗したが、今日は逆に渋谷のオフェンスを激しい守備で押さえ込み、65-53で勝利した。

第1クォーター、琉球は試合開始から10-0と出だしで主導権を握ると、第3クォーター終了時点で11点のリードをキープ。ところが第4クォーターに入ると得点が止まり、残り約6分のところで6点差までリードを縮められる。前日、第4クォーターで4-28と一気に失速した嫌な記憶が蘇る場面だったが、ここで琉球は二ノ宮康平の3ポイントシュート、津山尚大のファストブレイクなどで再び点差を2桁に戻すと、そのまま逃げ切って前日の雪辱を果たした。

琉球の佐々宜央ヘッドコーチは、「ホッとしている気持ちはありますが、喜べる状況ではないです。バスケの質においては全然すっきりしていないです。ただ、勝ってナンボのところもあるので、正直この勝利を自分自身への自信にしたいです」と指揮官としての初勝利を受け止めた。

そして常に先行しながらの勝利ではありながら、昨日の展開もあって「追いつかれたら正直、勝てないと思っていました」と、点差以上に危機感を感じながら勝利だったと佐々ヘッドコーチは振り返っている。

前日の反省を生かしたタフなディフェンスが勝因

この試合、琉球の勝因は53失点が示すようにディフェンスだった。「昨日、広瀬(健太)選手のファイトを見た時、悔しかった。ディフェンスのスタンダードでこちらが突き抜けなければいけないのを渋谷にやられてしまった。そこの部分を譲ってはいけない。今日はまず第1クォーターから、守備で激しくやらないといけないと臨みました」。指揮官がこう語るように、昨日の反省を生かしたタフなディフェンスを今日は遂行した。

また、前日は自由にやられていたゴール下についても「最初インサイドを簡単にやられてしまっていたので、そこをファウルでも止めよう。それこそフリースローになって外すかもしれない。そう話をしました」と、ファウルでもイージーシュートを止めることを重視。その結果、32本のフリースローを与えてしまったが、渋谷が18本しか決めることができず(成功率52.3%)に終わったことも勝敗を分けた大きなポイントとなった。