写真=Getty Images

長く厳しいシーズンを乗り切ることができるように

今シーズン、ナゲッツでの6年目を迎えるウィルソン・チャンドラー。過去にケガに苦しめられてきた彼は、食事法の改善がパフォーマンス、特に回復に大きなプラスをもたらすという結論に達した。

ナゲッツでの1年目となった2011-12シーズンは8試合、続く12-13シーズンは43試合、3年前の13-14シーズンは62試合の出場に終わり、チームの期待に応えられなかった。14-15シーズンから徐々に好転したのだが、71試合に出場した昨シーズンは、キャリアハイとなる15.7得点、6.5リバウンドを記録。その秘訣は、最近NBAでも取り入れる選手が増加しているビーガン・ダイエット(絶対菜食主義)だった。

チャンドラーは元NBA選手のクリス・ダグラス・ロバーツの影響を受け、1年前からビーガン食を採用したと明かす。ただ、最初から菜食に限定したわけではなく、魚も摂取するペスカタリアン・ダイエットから始めたという。

徐々にビーガン食に切り替えたチャンドラーは、最初は違和感も感じた。『GQ』の取材に対してこう語っている。「最初は疲れを感じたけど、それは急に始めてしまったからだ。徐々に学ぶようになって、どの食材にタンパク質が多く含まれているか分かるようになっていった。最初はスタミナが減るのも早く感じたけれど、今は知識があるから大丈夫」

チャンドラーが感じた最も大きな変化は、身体の回復力だった。ビーガン食に変えると身体が抗酸化され、筋肉や関節の炎症が少なくなると言われている。年間82試合という長丁場を戦うNBA選手にとって、身体の回復は最も重要で、チャンドラーはフレッシュな状態で練習と試合に臨めるようになり、睡眠も改善されたと『Sentient Fitness』に語った。

身体が資本のNBA選手も、やはり突き詰めていくと肝心なのは食事という考えに行き着く。ビーガン・ダイエットが今後NBAの新たなトレンドになりつつある。