前半だけで3ポイントシュート15本中11本成功
11月17日、琉球ゴールデンキングスがホームで滋賀レイクスターズと対戦。リーグ屈指の3ポイントシュート力を誇る相手のお株を奪う長距離砲の爆発で主導権を握ると、前半だけで31点の大量リードを奪い81-45で圧勝した。これで琉球は今シーズン10勝目を挙げ、リーグ中断期間を迎えることになった。
第1クォーター、琉球はこの試合がデビュー戦となる先日加入したばかりのユージーン・フェルプスがゴール下への積極的なアタックで得点。さらにデモン・ブルックス、岸本隆一など昨日は沈黙した3ポイントシュートが入ることで15-3と突き放すと滋賀はたまらずタイムアウトを取る。
しかし、この日の琉球の勢いは全く止まらない。その後も前半の3ポイントシュート15本中11本成功と驚異的な成功率をマーク。
一方の滋賀は、持ち味の3ポイントシュートがこの日も不発に終わると、インサイドでもなかなか、決めきれない。その結果、琉球は47-16と大差をつけて前半を終える。
後半になるとさすがに琉球のシュート確率は落ちていくが、一方で滋賀もこの試合3ポイントシュート4本中4本成功の高橋耕陽が奮闘するが、他の選手が続かず。琉球が余裕の展開で勝利を収めた。
「上位のチームは自分たちのプレーをやり続けます」
琉球の佐々宜央ヘッドコーチは、試合を終えてこう振り返った。「ユージーン・フェルプスと新しい選手が入って未知数な状況があった中、オフェンス面で最初にうまく流れを持っていけたのが大きかったです。ディフェンスでは3ポイントシュートを打たせないことを意識しました。それでも27本打たれましたが、どれだけタフな形でシュートを打たせるか。そこをやり続けられた2日間でした」
そして序盤の猛攻をもたらしたのはフェルプスだったと称える。
「まだまだフィットしきれてないところはあります。それでも、インサイドアウトの関係をつくる起点となってくれました。彼は中での強さがありますが、外に素早くパスを出せる。3ポイントシュートの確率が良かったのは、ユージーンがいたことが大きかったです」
もちろん点差で言えば文句なしの完勝であった。それでも佐々は勝負の趨勢は決していたとはいえ、後半に緩慢なミスがあったことを課題として強調する。実際、第4クォーターの開始から約1分、まだ28点の大量リードがありながらターンオーバーを喫した並里成、満原優樹をすぐにベンチに下げる厳しさを見せる。
「連続でターンオーバーが続いたのでいきなり選手交代をしました。どんなに大差をつけていても、上位のチームは自分たちのプレーをやり続けます。こういうミスをしていたら上に行けないです」
佐々にとっては、俗にいうガベージタイムは存在しない。「選手からしたら30点リードの場面で、なぜミス一発で交代かと思うかもしれないです。ただ、僕は安易なミス、オフェンスリバウンドを取られるとかはどんな場面でも絶対に許したくない。ただ最後の3分はその意図が伝わってしっかりやってくれました。ここはどんな試合でも大事にしたいです」
「変に受け身になってしまい修正ができなかった」
前日の惜敗から一転しての大敗となった滋賀の指揮官ショーン・デニスは、前半における琉球の3ポイントシュート攻勢に脱帽だった。
「今日は琉球が素晴らしい確率でシュートを決めたので、自分たちはどんなにいい形でプレーできたとしても勝つのが難しい試合でした。特に前半で15本中11本成功と高い確率で3ポイントシュートを決められたことに対し、自分たちが変に受け身になってしまい修正ができなかったです」
ただ、一方で収穫もあった。大量ビハインドでさらに崩れてもおかしくなかった中、後半だけを見れば29-34と互角の戦いを演じたことには指揮官も手応えを得た。
「後半は、相手の3ポイントシュートを9本中1本に抑えました。日本人選手の頑張りがあったからこそ最後まで戦いぬくことができました。そこに関しては誇りに思います」
さらに、「オフェンスで琉球はやりたいことをしっかりと最後まで遂行した。誰にボールを渡してシュートを打たせるのか。どこをアタックすれば自分たちにアドバンテージが生まれるのか、そういった部分をチームでしっかりと理解していた。そこが自分たちに必要となってくる」と、今回の連戦で露呈した課題を語る。
結果は好対照であったが、まだまだシーズンは序盤戦が終わったばかり。それぞれこの連戦で得た課題をどう生かしていけるのか、その成否はファイナルラウンド進出をかけた2週間後の天皇杯第2次ラウンドで明らかになる。
11月17日のB1 9試合の結果
秋田72-81島根
SR渋谷81-75京都
横浜60-84川崎
新潟76-85宇都宮
三河71-72富山
琉球81-45滋賀
A東京85-63三遠
名古屋D83-73大阪
千葉76-81北海道