プレスブレイクが機能、ミスからの速攻を減らす
島根スサノオマジックは敵地で秋田ノーザンハピネッツと対戦。北川弘、相馬卓弥、神里和と3選手が体調不良で欠場する緊急事態、昨日の第1戦ではその影響が出て秋田のハードワークについていけず、ズルズルと後退して55-98と大差の負けを喫していた。人数が少ない中での連戦だったが、前日とは全く違う巧妙な戦いぶりを40分間徹底して見事な勝利を収めた。
立ち上がりは秋田のペース。ジャスティン・キーナンの圧力に押され、ハビエル・カーターに3本の3ポイントシュートを決められて先行を許すも、前日と違ったのは秋田のハードプレスへの対応だ。煽られてターンオーバーを連発、そこから速攻を浴びた前日の反省から対応を強化。セットオフェンスで無理にテンポを上げず、そのまま相手の攻めに持ち込まれるライブターンオーバーを減らして重い展開に持ち込む。「プレスブレイクを用意してターンオーバーを減らせた」と鈴木裕紀ヘッドコーチが試合後に語った対策が、見事に機能した。
島根は得点力のあるチームではなく、本来であれば走ってチャンスを作りたいところだが、打ち合いでは秋田に分があると見て、セットオフェンスでじっくり攻めた。得点源のブライアン・クウェリとロバート・カーターが警戒されるのは承知の上。クウェリはゴール下で待つだけでなくスクリーンを掛けては新たなポジションを取り直す動きを繰り返し、日本人選手もパスだけでなく隙あらばアタックする姿勢を見せて、激しい当たりを徹底する秋田ディフェンスを誘った。
こうしてクウェリへの合わせが何度か決まると、これを意識した秋田ディフェンスはストレッチ4のカーターまで捕まえられなくなる。そのカーターは第2クォーターに3ポイントシュート6本中5本成功と、ロースコアの展開の中で貴重な得点を重ねた。
秋田に猛追されるも慌てず、抜群のゲームコントロール
後半に入って秋田にエナジーを注入したのは中山拓哉だった。ギャンブル的なスティールを連続で成功させて、出せていなかったブレイクに持ち込む。島根ペースの時間帯が続いていたが秋田のハードワークは遂行できており、何かのきっかけがあれば試合を一変させられる可能性はあった。そんな状況で中山が島根のリズムを狂わせると、キーナンの連続得点で逆転に成功した。
誰が出てもインテンシティを落とさない秋田に対し、人数の揃わない島根はクウェリとカーターがフル出場、他の選手もプレータイムが長く、失速してもおかしくはなかった。しかし秋田はまだ第3クォーター半分のところでチームファウルが5に到達。また第4クォーターに入ると白濱僚祐が個人5つ目のファウルで退場に。こうして力を発揮しきれなかったのは痛手だった。
残り2分半、キーナンのワンマン速攻を許して67-72と追い上げられた島根。ミスからの失点で慌ててもおかしくない場面だったが、島根はここでもう一度集中力を高めてオフェンスを行い、ディフェンスではファウルを使ってピンチを未然に防ぐとともに時計を進める。カーターがじっくりボールを運んで相手を引き付けてパス、後藤翔平の右コーナースリーは外れたものの、リバウンドを拾ったクウェリがゴール下をねじ込んで、残り1分16秒で74-67。その後のファウルゲームも乗り切って81-72で逃げ切った島根が、今シーズン6勝目を挙げた。
阿部諒は「欠場した3人がいないから負けたと言われるのは悔しいので、ディフェンスからやるべきことをやった」と試合を振り返る。ほとんどの時間帯でリードしていても、いつひっくり返されてもおかしくない状況でプレッシャーを掛けられ続けていた。それでも島根は辛抱し、細心の注意を払いつつも攻めるべきところでは積極的に攻めて、見事な勝利をモノにした。
11月17日のB1 9試合の結果
秋田72-81島根
SR渋谷81-75京都
横浜60-84川崎
新潟76-85宇都宮
三河71-72富山
琉球81-45滋賀
A東京85-63三遠
名古屋D83-73大阪
千葉76-81北海道
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— バスケット・カウント (@basket_count) November 2, 2019
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