「自分自身が敵になることがある」
千葉ジェッツは11月2日、3日とホームに京都ハンナリーズを迎え、第1戦を1点差で落としたものの、第2戦は88-61で快勝している。第2戦で勝利の立役者となったのが22分の出場で17得点5アシストを記録したコー・フリッピンだ。
今シーズンから千葉に加入したフリッピンは開幕から12試合中6試合に出場しているものの、この第2戦までの平均出場時間は8分と指揮官の信頼を得られているとは言い難い状況だ。
大野篤史ヘッドコーチも、「まだ準備が足りていない」と、今まであまり出場時間を与えなかった理由について語った。「前々節、フィルムワークでチームディフェンスのシステムについて、まだ取り組まないといけないと本人にも話しました。でも、それが徐々に見えてきたので、この試合では使ってみた。そしたら、良いパフォーマンスをしてビックリしました」
大野ヘッドコーチはこの試合で22分ものプレータイムを与えた経緯をこう話す。「もともとオフェンスの力があるのは分かっているんですけど、ディフェンスのトラブルのほうが大きかったです。アドバンテージとディスアドバンテージを比較した時に、オフェンスの停滞を防ぐほうがいいと思いました」
フリッピン自身もディフェンス面で苦戦していると話す。「Bリーグでは4番、5番は外国籍選手のビッグマンが多くて、ガードは日本人選手が多い。そこでスイッチをした時に、アメリカではガードも身長が2メートルぐらいの大きい選手がいるけど、日本はそうではない。そういう意味ではスイッチの仕方も変わってくるので難しい」
それでも、試合や練習で経験を積んで課題をクリアにしていくしかない。本人も経験を積んでいくことでチームのスタイルに順応したいと意気込んだ。
「チャンスを生かすかどうかは自分にかかっている」
これまでは平均1.4得点とオフェンス面の力を発揮できずに終わっていたが、この試合では17得点を記録した。「もちろん試合に早く出るに越したことはないけど、そこはチームメートやコーチ陣を信じる気持ちが優先。コーチが一番良いと思ったタイミングで出してもらって、そのチャンスを生かすかどうかは自分にかかっている。この試合も、しっかりチームとコーチ陣を信じてやれた結果、このようなプレーができた」
今回の試合でそのポテンシャルの高さを証明したが、時に「自分自身が敵になることがある」と、独特の表現で現時点の課題について言及した。
「ディフェンスの動きを読まずに自分の考えだけでオフェンスをやってしまう時があって、そういう時に自分が敵になってくるんです。逆に、ディフェンスの動きを先読みしすぎて、上手く対応できない時もある。だから、自分のペースをコントロールすることが課題だと感じています」
それでも今シーズンの目標には新人王を挙げている。「個人としてもチームとしても、どの試合も勝つことがまずは第一。あとはルーキーの中でベストな選手、ルーキー・オブ・ザ・イヤーを目指しています」
ポテンシャルは十分にあることは、これまでのプレーで千葉のブースターも理解しているはず。フリッピンがその大いなる能力を正しく発揮できるようになるにつれ、千葉の勝ち星も増えていくに違いない。
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— バスケット・カウント (@basket_count) November 8, 2019
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