川崎ブレイブサンダース

攻守が噛み合い、ラスト10分間を25-5と圧倒

川崎ブレイブサンダースvs宇都宮ブレックスの第2戦。先出し開幕戦が行われた横浜アリーナから本来の本拠地であるとどろきアリーナに戻った川崎は、第3クォーターにディフェンスからリズムを作られ14点のビハインドを背負ったが、ディフェンスを軸にここ一番で攻守が噛み合って最終クォーターを25-5と圧倒、大逆転勝利を収めた。

川崎は佐藤賢次ヘッドコーチが「最もタフな選手5人を選んだ結果」と語る、マティアス・カルファニ、ニック・ファジーカス、ジョーダン・ヒースの実質『オン3』で試合をスタート。しかし、オフェンスは機能したが藤井祐眞と篠山竜青がファウルトラブルに陥り、フリースローで失点を重ねるなど流れに乗れない。そんな試合は後半に入って大きく動き出す。

最初にリズムをつかんだのはアウェーの宇都宮だった。ジェフ・ギブスを筆頭にオフェンスリバウンドでポゼッションを稼ぎ、それをセカンドチャンスポイントに繋げた。比江島慎が個の力で打開しズレを生みだすと、遠藤祐亮が3ポイントシュートを沈めて流れに乗った。

ハリーバックした遠藤がマティアス・カルファニからオフェンスファウルを誘発するなど、ギリギリのところで失点を防いで優位を作っていく。そして、ここを勝負どころと捉えた宇都宮は橋本晃佑、渡邉裕規が連続で3ポイントシュートを沈め、カルファニからシュートファウルを誘発した喜多川修平が3本のフリースローを沈め、リードをこの日最大となる14点へと広げて最終クォーターを迎えた。

川崎ブレイブサンダース

宇都宮に訪れた突然のブラックアウト

試合巧者の宇都宮がこのまま試合を押し切るかに思われたが、ここから川崎の脅威の反撃が始まる。佐藤コーチが「最初の2本が上手く行って、そこが糸口になった」と語ったように、ファジーカスが3ポイントシュートとフローターを決めて、早々に点差を1桁に戻した。

強度を高めたディフェンスが機能したことで、オフェンスにもリズムが生まれる。流れが悪かった第3クォーターには6本打って決まらなかった3ポイントシュートを5本連続で成功させ、トランジションオフェンスも炸裂。こうして一気に点差を詰め、残り2分20秒にアーリーオフェンスからフリーになった篠山竜青がロング2ポイントシュートを沈め、逆転に成功する。

川崎は速攻で8-0、ターンオーバーからの得点で11-0と攻守がガッチリと噛み合った。そして、最後までこの良い流れを維持し、ラスト6分34秒で20-0のランを炸裂させ、最終スコア75-69の大逆転勝利を飾った。

川崎の佐藤ヘッドコーチはディフェンスと我慢の勝利と総括した。「激しいディフェンスをされて点が取れず、苦しい試合ではありました。代わった選手がエネルギーを出してやり続ければ必ず後から効く。選手たちに、『10点、15点離れても我慢してやり続けよう』と話をしたら、その通りになりました(笑)。ディフェンスの勝利だと思っています」

勝因となった最終クォーターについて、「特別な指示は出していない」とのことだったが、「篠山、藤井、長谷川(技)とディフェンスを武器としている選手を出して、相手のリズムを崩せたところはある」と、やはりディフェンスでの勝利であることを強調した。

川崎ブレイブサンダース

安齋コーチ「『逃げる』オフェンスになった」

一方、敗れた宇都宮の安齋竜三ヘッドコーチは「僕の戦術、選手の出し方が一番の原因ではあります」と責任を背負ったが、最後の失速については「やはりメンタルです」と言及した。

「川崎さんがアグレッシブにきてるところで引いてしまった選手がいた。そこでターンオーバーを犯したり、ディフェンスで引きずってイージーにやられだした。それまでは良いアタックからのキックアウトだったり、良い判断から展開できていたが、それが消されてしまった。川崎さんのディフェンスが素晴らしかったです」

決して悪いオフェンスには映らなかったが、「アグレッシブに来た相手に対し、アタックしてファウルをもらう姿勢がなくなった。どちらかと言うと『逃げる』オフェンスになった」と、分析。確かに、第3クォーターを終えた時点で22本のフリースローを獲得していたが、最終クォーターではわずか2本しか得られなかった。

川崎にとって宇都宮は昨シーズンのチャンピオンシップで完敗を喫した相手。それだけに川崎が生まれ変わったことを証明する開幕節の2連勝となった。

10月6日のB1 9試合の結果

島根63-66名古屋D
SR渋谷83-78千葉
富山88-71三遠
京都72-69滋賀
秋田70-77大阪
琉球80-76三河
北海道72-67横浜
A東京94-84新潟
川崎75-69宇都宮

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