三屋裕子

「国際大会に出場するDNAを継承していく」

日本バスケットボール協会の三屋裕子会長が、メディアブリーフィングでワールドカップを終えた感想を「ようやくスタートラインに立てた気がします」と語った。

男子日本代表は長年、国際大会に出場するチャンスが得られず、自力でのワールドカップ出場は21年ぶり。ほとんどの選手が国際大会での経験がない中で大会に挑んだ。そのため「世界との経験の差」を口にする選手が多く、来年の東京オリンピックに向けても課題が残る大会となった。

それでも、今までなかった『経験』はここから積み上げていくしかなく、今回のワールドカップ出場は日本バスケット界にとっては大きな経験となったはずだ。三屋会長も「ワールドカップでの課題を選手たちだけのものにせず、アンダーカテゴリーやコーチ、Bリーグに展開していくことで、『日常を世界基準へ』に近づいていく」と語る。

「今までは世界大会に出場しても、その次が10年後だったりと、そのDNAを継承していくことが難しい環境がありました。幸いにも、今回の国際舞台での経験を継承していく選手がたくさんいて、その選手たちが何を継承していくかが大事になっていきます。この負けから何を学んだかが成長に繋がっていきます」

今大会で得た財産をいかに日本バスケット界に広く展開していくことができるかが、日本バスケット界の成長に繋がる。アジアでも長く勝てなかった男子の日本バスケが、いきなり世界で通用するというのは現実的ではない。目の前の課題を解決していくと同時に、将来を見据えた取り組みも怠ってはならない。それをリードする三屋会長の手腕に、引き続き期待したい。