取材・写真=古後登志夫

大上晴司監督は梶原志保を「歴代ナンバーワンのキャプテン」と評し、U-16日本代表候補の三浦舞華を「代表に入っているところを微塵も出さない」と言い、この2人のバスケットに取り組む姿勢を手放しで称賛する。今年のチームに周囲が古豪復活の思いを託すのも当然だ。もっとも、取材をした2人はあっけらかんとしたもの。周囲の期待に必要以上のプレッシャーを感じるのではなく、自然体でインターハイの舞台に臨もうとしている。

「裏表がなくて、みんな仲の良いチームです」

──間もなくインターハイですが、今の精華女子はどんなチームですか?

梶原 今年は裏表がなくて、みんな仲良しだし先生ともたくさんコミュニケーションが取れているので、明るくて良いチームだと思います。

三浦 リバウンドからのブレイク、トランジションを早くして攻めることが主体のチームです。

梶原 レオ(三浦)はボールを持ったら全部シュートまで言ってくれる選手です。自分はディフェンスで主に相手のガードをつぶして、オフェンスは1年生のレオたちに任せています。

三浦 はい、どんな状況でもシュートを全部決められるような選手になりたいと思って練習しています。

──2年生、1年生の多いチームをキャプテンとしてまとめるのは大変なのでは? 

梶原 キャプテンになってから自分のことだけではなく、コートにいない時もみんなのプレーを見て良いことも悪いことも全部言えるようになろうと思っています。下級生も分からないことがあれば自分から私たちに聞いてくれるので、説明もしやすいです。

三浦 分からないことを聞きに行くと、細かくいろんなことを教えてもらえます。それでできるようになることもあるし、できなくてもまた教えてくれます。分かりやすくて、すごく良いキャプテンだと思います。

「できるだけ全員とコミュニケーションを取る」

──毎日かなりハードな練習をしているそうですが、キツくはない?

三浦 大丈夫です。トレーニングがキツいですけど、それも含めて楽しいです。

梶原 新チームになってすぐ、負けると思っていなかったところで早く負けてしまい、その時は結構キツかったです。でもそれを乗り越えて、3年生中心で頑張って強くなったと思います。新チームになってすぐは、私もキャプテンとして全部強く言うだけだったから、言われるほうもマイナスにしかならなくて。1年生が入って来るちょっと前ぐらいから、良かったことも含めて全部言うようにして、気持ちが楽になりました。プレーについては強く言いますが、バスケ以外になれば強く言った子にも自分から声をかけます。私から怒られたら、後輩は話しかけづらいと思うので、そこは自分から。できるだけ全員とコミュニケーションを取るよう心掛けています。

──三浦選手はU-16代表の合宿を経験しました。何か得られたことはありましたか?

三浦 みんなうまいので、自分もそれについていけばレベルアップできると思って、頑張ってついていっています。休んでいる間にも、他の選手がどのようにプレーしているのか観察していました。

──精華女子は2年連続のインターハイになりますが、全国を経験して、自分たちのレベルはどのあたりにあると思いますか?

梶原 九州はレベルが高いと言われるけど、関西のチームと試合をすると、結構ディフェンスの当たりが違ったりしました。自分たちが強くなってきたと自信がついてきた時に、関西のチームに差を見せられて刺激をもらいました。今はそこに近付けるように頑張っています。

──その相手はどこですか?

梶原 大阪桐蔭です。この間、練習に来てくれて、練習試合をやった時にやられました。インターハイの初戦で当たる相手です。だからみんな私たちが負けると思っているんですけど、そこをひっくり返したいです。

三浦 私も同じで、宮城にいた頃は「九州の選手はレベルが高い」と思っていて、九州の大会もそう思っていたんですが、大阪桐蔭とやった時はもっと強いという印象でした。そのチームを倒すために頑張っていきたいです。

「苦手な守備を頑張って、攻撃では20点を取りたい」

──全国レベルでバスケットボールに取り組むのは大変だと思いますが、普段の日常は楽しめていますか?

梶原 月曜はオフと決まっているので、その時にリフレッシュできます。博多駅が近いので、買い物に出かけたりします。

三浦 私は買い物は必要なものだけ。眠くなったらずっと寝ています(笑)。

──将来の夢は?

三浦 実業団に入ってバスケを続けたいです。

梶原 大学ではバスケをしたいなと思っています。

──では最後に、インターハイに向けた意気込みをお願いします。

梶原 去年は1回戦負けしてしまったので、今年は1回戦で大阪桐蔭に絶対勝って、できるだけレベルの高いチームとたくさんゲームをしたいと思っています。

三浦 自分の苦手なディフェンスをインさん(梶原)みたいに頑張って、そこからのオフェンスでたくさん得点を取りたいです。1試合20得点を目指します。