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ド迫力のワンハンドダンク、競争心の強さもラス並み

2017年のドラフトで指名された新人選手たちの多くは、ラスベガスで開催されたサマーリーグでその実力を披露した。サマーリーグMVPに選出されたレイカーズ新人のロンゾ・ボールが話題の中心になることが多かったが、マーベリックス新人のデニス・スミスJrもチェックしておくべき存在だ。

スミスJrは『次世代のラッセル・ウェストブルック』とも呼ばれる逸材で、その身体能力はもう何年も前から評価されてきた。ラスベガスでの6試合で平均17.3得点、4.8リバウンド、4.2アシストを記録。ド迫力のワンハンドダンクのフォーム、インパクトの大きさは、若手だった頃のウェストブルックに近い。

その身体能力の高さを示すエピソードにも不自由しない。2015年の夏にアンダーアーマーが開催したバスケットボールキャンプに参加したスミスJrは、会場中が驚くダンクを披露。会場に居合わせたウォリアーズのステフィン・カリーは、不運にもその瞬間を見逃したのだが、隣にいた弟セス・カリーらの反応を見るや、コートサイドにいたカメラマンに駆け寄り「今のリプレー見せてくれないかな」と頼んだほど。 競争心も旺盛で、トリニティ・クリスチャン高校時代の恩師が『The Fayetteville Observer』に話した内容によれば、テレビゲームでもビリヤードでもカードゲームでも、とにかく負けず嫌いだったという。また恩師は「きっと彼は、自分より先にドラフトで指名された選手の名前は決して忘れない。ポイントガードの選手なら絶対に忘れないだろう。その悔しさをモチベーションに変えるはずだ」とも語っている。

2017年のドラフトでスミスJrより上位指名を受けたポイントガードは、全体1位指名選手のマーケル・フルツ(セブンティシクサーズ)、2位指名選手のボール、4位指名選手のディアロン・フォックス(キングス)、8位指名選手のフランク・ニリキナ(ニックス)の4名。恩師の言葉を借りれば、スミスJrは彼らとの比較に敏感に反応するのだろう。であれば、サマーリーグでMVPになったボールをライバル視し、自分の方が良いプレーヤーであることを証明する機会をうかがっているに違いない。

ボール、フルツ、そしてセルティックスの新人ジェイソン・テイタムが中心になると見られる2017-18シーズンの新人王争いだが、スミスJrのプレーからも目が離せなくなりそうだ。