ファジーカスが得点を重ねるも、失点を止められず
バスケワールドカップを戦う日本代表は、今日から順位決定戦を戦う。
相手は8月、本大会直前の国際強化試合として国内で対戦したニュージーランド。八村塁が膝の痛みと疲労を理由にチームを離れた日本代表の先発は、田中大貴、比江島慎、馬場雄大、渡邊雄太、ニック・ファジーカス。速いテンポで仕掛けるニュージーランドのペースに合わせる形で点の取り合いになるが、これだと相手の3ポイントシュートが上回る。立ち上がりこそ競ったが、ニュージーランドがピックプレーから外に開く形が続き、最初の5分で4本中4本の3ポイントシュートを決められた。
それでも安藤誓哉をポイントガードに据えてゲームのテンポを落とすと、日本が反撃を開始。ファジーカスがゴール下のリバウンドで強みを出し、渡邊がリバウンドからのボールプッシュで連続でフリースローを獲得して差を詰める。ファジーカスが3ポイントシュートを沈め、田中のアタックが決まらなかったこぼれ球を押し込んで29-29。同点で第1クォーターを終えた。
それでも、3本の3ポイントシュートを含む17得点でオフェンスを引っ張り、リバウンドでも存在感を見せたファジーカスがベンチに下がると日本は失速。リバウンドが弱くなるとニュージーランドに走られる展開が増え、2分半で0-8のランを浴びる。日本はやむなくファジーカスを戻すことに。それでも、第1クォーター後半の日本の時間帯はニュージーランドの主力がベンチに下がっていた。ウェブスター兄弟がコートにいる今回はなかなか押し返せない。
良いプレーも単発、100点ゲームでの大敗
ファジーカスがファウルを受けながら3ポイントシュートを決める4点プレーを決めるも、その直後にあっさり3ポイントシュートを返されるなど日本は流れに乗れない。ファジーカスは前半だけで24得点と活躍したが、チームは39-55と大差を付けられた。
後半、ゾーンディフェンスで相手のリズムを狂わせ、比江島が独特のステップからのリムアタックでファウルを誘い、さらには速いパスワークから3ポイントシュートを沈めて食い下がろうとするが、ニュージーランドはゾーンにもすぐに対応して日本が主導権を握るには至らない。
渡邊とファジーカスにプレータイムが偏り、代わって入る選手もチームに喝を入れるほどのパフォーマンスを見せられないために、第4クォーターにも押し返す力が出せない。残り4分半で30点差となり、ニュージーランドは主力を下げる。4分を残してニュージーランドの得点は100に到達。フリオ・ラマスはタイムアウトを取るも、もはや打つ手はなかった。
ニュージーランドの強みは早い仕掛けで放つ3ポイントシュートだが、まずリバウンドが強くて速攻に持ち込む力があった。またピック&ロールからの判断が良く、日本がディフェンスでミスをしてノーマークを作ると見逃さずパスを送った。3ポイントシュート攻勢が決まったのはシュート技術の高さだけでなく、ノーマークを作り続けたからこそで、それを防げなかった日本ディフェンスの敗北でもある。
最終スコアは81-111。日本はモンテネグロとの最終戦で大会初勝利を目指す。