
スタメンが確約されるウルブズで評価を勝ち取る意向
ジョナサン・クミンガがティンバーウルブズと2年1240万ドル(約19億円)の契約を結び、キャリア6年目のシーズンに挑むこととなった。
2021年のNBAドラフト1巡目7位でウォリアーズに指名されたクミンガは、攻守に活躍するオールラウンダーとして頭角を現したが、ウォリアーズで確固たる立ち位置を築けず、昨年夏の契約延長交渉はこじれにこじれた。
年俸790万ドル(約12億円)のクオリファイング・オファーを拒み、長い膠着の末に2年4850万ドル(約73億円)で残留を決めたのだが、根底にある指揮官スティーブ・カーとの不和は解消しなかった。10年がかりで組み上げたウォリアーズの高度な攻守のメカニズムにフィットできないクミンガをカーはしばしば非難しており、これをクミンガ側は「不誠実で、実力への侮蔑」と受け止めた。
昨シーズンはジミー・バトラーが彼の兄貴分となってチーム内での融合を図ったものの、結局上手くいかないままローテーションから外され、クリスタプス・ポルジンギスとのトレードでホークスへと放出された。
ホークスではクイン・スナイダーの下でシックスマンとしてチャンスを与えられ、平均12.3得点を記録してプレーオフでもそれなりの結果を残したものの、すでに出来上がったチームの序列を大きく変えるほどのインパクトは残せなかった。チームオプションとなっていた2年目の2430万ドル(約36億円)はホークスにとっては重すぎ、年俸の安い複数年契約に置き換えようとしたが、クミンガは納得しなかったという。
そのクミンガに接触したのは、チームを去ったレブロン・ジェームズ、八村塁に代わる大型ウイングを必要とするレイカーズだった。3年4500万ドル(約68億円)を提案したというが、クミンガは希望に届かない金額で3年も縛られるサイン&トレードを嫌い、ホークスもサラリー削減を優先してジャレッド・バンダービルトの引き取りを渋ったという。
こうしてホークスがチームオプションを破棄してクミンガが完全フリーエージェントになると、ウルブズがミッドレベル例外条項を使っての獲得に乗り出した。2年1240万ドルはクミンガの実力からすれば安すぎる契約だが、クミンガは2年目がプレーヤーオプションで、来年夏に完全フリーエージェントになれる身軽さを優先した。
ウルブズはジュリアス・ランドルとナズ・リードを放出してパワーフォワード不在の状況にあった。クミンガにとってはスタメンが確約されるこの状況も魅力的だった。『格安でのお試し起用』ではあるが、ここで確たる結果を残して来夏のフリーエージェント市場に打って出る構えだ。
もっとも、アンソニー・エドワーズとラメロ・ボール、ジェイデン・マクダニエルズ、アヨ・ドスンムとオンボールで得点できる選手はすでに揃っている。クミンガもオンボールで攻める中でリズムを作っていくタイプで、それが許されないウォリアーズで能力を発揮しきれなかっただけに、今回はその部分で彼自身が壁を乗り越えなければならない。そしてフロントコートで組むルディ・ゴベアには外回りのプレーがないため、クミンガには3ポイントシュートの向上が求められる。
それでも、そのすべてを乗り越えてこその『NBAでの絶対的な存在』であり、自信があるからこそ彼は中途半端な契約を良しとしなかった。ハードワークをモットーとするウルブズのバスケにフィットし、優勝争いのできるチームでスタメンを張れる実力を証明できるかどうか。彼にとってキャリア最大の挑戦が始まる。