文=鈴木健一郎 写真=鈴木栄一

U-19男子日本代表の『世界への挑戦』が今夜スタート!

カイロ(エジプト)で開催されるU-19ワールドカップは今日開幕。昨夏、トーステン・ロイブル率いるU-18日本代表はU-18アジアカップでホスト国のイランに次ぐ準優勝となり、今回のワールドカップの出場権を手にした。それから1年、ロイブルがじっくりと強化に努めてきたチームが、ワールドカップに挑む。

増田啓介、三上侑希、杉本天昇、西田優大といった1年前からの主力をベースにしつつも、NCAAトーナメントで活躍した八村塁、沖縄生まれアメリカ育ちの榎本新作という『強烈な個性』が加わった。伊藤領、三森啓右の2人がケガでメンバーから外れたのは残念だが、それを差し引いても1年前より大幅に戦力アップし、楽しみなチームになっている。

もっとも、『世界の壁』は高い。特に日本の入ったグループCは強豪揃いで、スペイン、マリ、カナダのいずれも苦しい戦いを強いられるだろう。優勝は現実的な目標ではないが、グループリーグで少なくとも1勝を挙げ、トーナメントでの上位進出を狙いたい。

とはいえ、この年代のチームは往々にして『化ける』ことがある。チームに合流してからの準備期間が十分ではないが、実力的にはズバ抜けている八村が、今日の初戦(vsスペイン)までにどれだけチームにフィットしているかがまずは重要なポイントとなる。

そしてもう一つのポイントは、エースに八村に依存することなく、日本のスタイルを出していけるか。昨夏のU-18ワールドカップで準優勝できたのは、日本の特性を生かしつつ、世界で戦えるプレースタイルを大会を通じて発揮できたから。マンツーマンとゾーンを使い分けるディフェンス、高さのハンデをカバーする連動性、ただ走るだけでなく果敢にチャレンジするオフェンス、タフショットをねじ込みに行く強引さなど、結果を出しただけでなくエンタテインメント性も高いバスケットを貫いた。

U-18アジアカップは準備期間も短く、国際経験のない選手もいた。そこから1年、「世界を見据えたチーム作り」がどのような成果を出すのか。

初戦はヨーロッパ最大のバスケ大国スペイン。優勝候補を相手に日本の若き精鋭たちがどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、大いに期待して試合を待ちたい。