「連勝できなかったことが、この夏にクリアしないといけない課題となる」
男子日本代表は『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window3のアウェー韓国戦に79-81で敗れ、あと一歩で3日の中国戦(92-73)に続く連勝を逃した。
この試合、日本は第3クォーターにトランジションから得点を重ねることで、一時はリードを2桁に広げた。しかし、この試合に敗れると1次ラウンド敗退が決まる韓国の激しいプレッシャーディフェンスの前にパスミスを連発し、速攻を食らうことで逆転を許してしまう。
そのまま試合は韓国ペースで進む中、日本は残り37秒で8点ビハインドから渡邊雄太の4ポイントプレー、韓国の拙攻に助けられ残り5秒で1点差にまで追い上げる。だが、30得点を挙げたジョシュ・ホーキンソンが決まれば同点となるフリースローを外し、あと一歩で逆転勝利を逃した。
試合後、桶谷大ヘッドコーチは次のように敗因を語る。「やっぱりライブターンオーバーが多かったです。(ターンオーバーから)22点取られたところと、セカンドユニットでなかなかリズムを作れなかったのが今日の試合を難しくしたところだと思います。もちろん韓国は勝たないといけない状況のところでフィジカル、プレッシャーも強くやってきた中で、自分たちがうまく対応しきれなかったです」
そして指揮官は、セカンドユニットをうまく機能させることができず、ホーキンソンが34分21秒、渡邊が35分31秒とフル稼働となってしまった自らの采配にベクトルを向けた。「ジョシュ、(渡邊)雄太を休ませることが上手くできなかった。僕が我慢できずに早く戻してしまったことで、彼らをフレッシュな状態でプレーを続けさせることができなかったです。もう少し自分たちが、『やっぱり我慢できる』という状況を作れたら良かったです」
劣勢でもあきらめずにあと一歩まで迫ったことは間違いなくチームの地力がついてきた証だが、同時に詰めの甘さを見せてしまったとも言える。ただ、このWindowを1勝1敗で終え、グループBを4勝2敗で首位通過と、ノルマは達成できた。
桶谷ヘッドコーチは、「いろいろな部分で勝つべき試合だったと思いますが、アウェーの中国、韓国で1勝1敗は悪くないです。ここで連勝できなかったことが、(8月末の2次ラウンドWindow4に向け)この夏にクリアしないといけない課題となる。今回の遠征で、自分たちが何を持って帰ることができたのかが、今後に向けて一番大切だと思います」と振り返る。

「自信は持っていいですが、過信になった部分が出てしまいました」
これからの分析を経て様々な課題が見えてくるが、ワールドカップ予選Windowでは1戦目終了から中2日、3日で迎える2戦目で、相手のスタイルにしっかり対応する必要がある。指揮官はこう語る。
「中国のアウェーでああいう戦いができたことで、自分たちに対する期待、自信はありました。その中で、韓国とこういうゲームをやってしまった。自信は持っていいですが、過信になった部分が今日は出てしまいました。中2日での2試合目で、初戦とは違うゲームになるところへのアジャストについて、課題意識を持たないといけないです」
韓国戦で27得点4リバウンド4アシスト、中国戦で30得点12リバウンドと大活躍したホーキンソンも同じ考えだ。「中国と韓国は全く違うチームなので、対策も大きく異なります。中国はサイズのある選手が多くいるインサイド主体のチームでした。韓国のオフボールの動きは、これまで僕が見てきた中でも最高レベルです。カッティングやパス、互いの動きを合わせたプレーは見事に組織されています」
こうホーキンソンは2カ国の違いについて言及すると、ワールドカップ本大会ではWindowより短い準備期間で試合が続くことも踏まえて、このように語る。「中国での素晴らしい勝利の後、気分は良く今日の試合も勝ってWindowを良い形で終えたかったですが、それは叶いませんでした。ドリブルやカットを使い、ボールムーブメントをするチームにどうやって対応しないといけないか見直す必要があります。そして短い期間で立ち直る力を養わないといけない。大きな大会では様々なプレースタイルのチームと続けて戦うことになります。高いレベルのチームを打ち破る方法を、その場でしっかり見極めることが求められます」
一方で課題とともに確かな収穫もあった。桶谷体制では今回が初出場となった佐々木隆成は持ち味の鋭いドライブでインパクトを与え、川真田紘也は長年の課題であるホーキンソンの控えセンターとして可能性を見せてくれた。
その中でも指揮官は、中心選手がしっかりと仕事を遂行してくれたことへの手応えを語る。「収穫でいうとダブルユウダイ(馬場優大、西田優大)は、ディフェンスのフィジカルなところでしっかりやってくれます。そしてジョシュは、アジアでNo.1のインサイドプレーヤーです。中国戦では大きい相手にピック&ポップで勝負できました。韓国戦では小さい相手がハードショウで守ってきた中で、ゴール下でボールをもらってシュートだけでなく、パスもさばきました。ハンドラーがしっかりしていれば、彼の強みをしっかり生かす形に繋げていけます」
2次ラウンドで日本が対戦するのはレバノン、カタール、サウジアラビアの中東勢。Window4は8月27日にアウェーのサウジアラビア、同31日にホームでカタール戦を行う。今回は中2日から中3日となるが、移動距離は大幅に増しているので恩恵はない。異なる相手から2試合しっかり勝ち切るためのアジャスト力の向上、ベンチメンバーの底上げがWindow4の大きなテーマになってくる。
