
クリッパーズは『カワイ&ジョージ』体制を終え再出発
八村塁はレイカーズとの間に結んでいた3年5100万ドル(約77億円)の契約満了に伴いフリーエージェントとなり、2年2800万ドル(約42億円)でクリッパーズへの加入を決めた。
八村は2019年のNBAドラフト1巡目9位でウィザーズに加入。4年目のシーズン途中となる2023年1月にケンドリック・ナンと3つの2巡目指名権とのトレードでレイカーズに加入した。迷走するウィザーズではポジションや役割が安定せずに伸び悩んでいたが、レブロン・ジェームズやアンソニー・デイビスという『勝ち方を知るベテラン』とともにプレーすることでポテンシャルが開花。恵まれたフィジカルを生かして泥臭い仕事に身体を張りつつ、ここ3シーズンの3ポイントシュート成功率は42.2%、41.3%、44.3%と驚異的な数字となった。
レイカーズは八村を高く評価していたが、昨年2月にルカ・ドンチッチ獲得という僥倖に恵まれたことで、チーム編成の方針が変わった。まずはドンチッチのパートナーとしてオースティン・リーブスと契約延長。レブロン・ジェームズの退団が決まってサラリーキャップに余裕が生まれたが、ドンチッチが望む大型センターのウォーカー・ケスラーを獲得。ロールプレーヤーを安価な契約で済む選手で固めたことで、八村を引き留めなかった。
新天地となるクリッパーズは、カワイ・レナードをラプターズに送るトレードをまとめ、『主力放出事業』を完了させたばかり。2月のトレードデッドラインにジェームズ・ハーデンをキャバリアーズへトレードし、直後にイビチャ・ズバッツもペイサーズへと放出。今オフにはジョン・コリンズもピストンズへと去った。他にもボグダン・ボグダノビッチとニコラス・バトゥーム、ジョーダン・ミラー、コービー・サンダースはクラブオプションとなっていた来シーズンの契約を破棄し、ブラッドリー・ビールは自らプレーヤーオプションを破棄して退団した。
クリッパーズは文字通り、ゼロからの再建を始めるところ。ダリアス・ガーランドにブランドン・イングラムとタレントは揃っているようで、『カワイ&ジョージ体制』を解体するトレードでやって来た選手ばかりで、これまで当たり前のように優勝を目指してきたが、新シーズンは一歩後退したところからのスタートとなる。
同じロサンゼルスのチームでも、伝統でも人気でもクリッパーズはレイカーズの後塵を拝してきた。八村は気心の知れたドンチッチやリーブスのいるチームを離れ、優勝争いのできる環境を失い、これからキャリア最盛期を迎える28歳というタイミングで年俸まで下がった。
それでも『ESPN』のシャムス・チャラニア記者によれば、八村はウォリアーズ、ティンバーウルブズ、ネッツ、スパーズからのオファーを断ってクリッパーズを選択したという。クリッパーズは再出発を切るタイミングだけに、自分次第でどんな役割も演じられる。レイカーズの時よりも任せられる役割、勝敗への責任が大きくなることは確実なだけに、それをモチベーションに結果を残してもらいたい。
Just in: Free agent Rui Hachimura has agreed to a two-year, $28 million deal to sign with the Los Angeles Clippers, sources tell ESPN. pic.twitter.com/Cixx1ZGPV3
— Shams Charania (@ShamsCharania) July 6, 2026