長岡萌映子

アジアカップまで2カ月を切り、女子日本代表は第7次強化合宿を開始。現在は中国遠征の真っ最中。プール制が導入され、メンバーを入れ替えながら18名前後のメンバーで合宿を行い、強化と競争がなされているチームにおいて、高さとフィジカルを兼ね備え、マルチに活躍できる長岡萌映子は代表『当確』という見方が強い。その長岡に現在の心境を聞いた。

コミュニケーションは「大事なものトップ3」

──第7次合宿では、声が出ていないということでヘッドコーチのトム・ホーバスが罰走を命じたシーンもありました。コミュニケーションの大事さをどう感じますか?

バスケット、特にディフェンスはコミュニケーションでどうにかなる部分があります。技術がなかったり、ディフェンスが良くなかったとしても、コミュニケーション一つでどうにかなる場面はたくさんあるので、大事なものだと思います。

もちろん技術だったり、パワーや知識も必要です。でもスキルがあったとしても、コミュニケーションミス一つでディフェンスできなかったり、5対5でノーマークで打たれたりします。黙ってディフェンスをしていたら誰がやられているかも分からないし、大事なものとしてトップ3に入るんじゃないですか。

──代表では世代交代が進められていますが、コアメンバーは変わっていません。チーム内での競争についてはどのようにとらえていますか?

どのタイミングで誰が落とされるのかは分からないですね。トムさんの中で決まっているかもしれないけど絶対はないので、危機感や緊張感は持ってやらないといけないです。

──当落線上にいる選手は上を目指すだけですが、『常連組』はモチベーションを保つことが難しくないですか?

確かにモチベーションの持ち方は難しいです。私としては、各大会や合宿は勉強の場にするしかないと思っています。オリンピックはアジアカップやそのあとの世界選手権と比べてレベルや空気感が違うので、オリンピックを見据えて一回一回にモチベーションを持ってやると疲れちゃいます。今年は特に合宿がたくさんあるから、その一つひとつを学びの場にしてやっていくのがベストだと思っています。

長岡萌映子

「変化をつけながらやって、気持ちも変化」

──代表合宿の期間も長いですし、メンタル面で緊張を保ち続けるのは決して簡単ではありませんよね。リフレッシュにはどのようなことをしてるんですか?

結構ヤバいですよ(笑)。頻繁には行ってられないですけど、友達とドライブに出掛けたりします。でも結構インドア派で趣味があまりないので、寝て休むくらいしか(笑)。それでも、メンタル的には落ち着いています。代表に入りたいと焦っていた、当落線上にいた時のほうがつらかったので。今は余計なプライドがなくなり、自分のできることをやろうという感じなので。

──当落線上にいた時のほうが苦しかったというのは驚きです。メンバーに定着できたことで落ち着いて代表活動ができているということですか?

役割が変わった感じですね。絶対ではないですけど、当確らしきところにはいると思っています。その中で去年から役割が変わってきているし、自分の中でいろいろ変化をつけながらやっているので。気持ちも変わってきました。

──その中で4連覇が懸かるアジアカップを迎えます。どういった心持ちで臨みますか?

以前はリュウさん(吉田亜沙美)やメイさん(大崎佑圭)というカバーしてくれる存在がいたので、自分は思い切りやろうという感じでした。ここにきて若い選手が増えてきて、自分が次のリュウさんやメイさんのように、そういう中堅になっていきたいです。

──背中を見せる時がやってきたという感じですね。

自分のやりたいことだけをやっても勝てません。以前はたくさんやらせてもらったし、去年はいろんな意味で勉強になりました。自分を殺すわけではないですけど、私にしかできないことはあると思っています。そのスタイルに誇りを持ってマルチに活躍できるように頑張ります。