
「最初の2シーズンは考えがすごく甘かった」
Bリーグ2026-27シーズンは長崎ヴェルカが琉球ゴールデンキングスを下して幕を閉じた。長崎は創設時に掲げた目標である『5年内でのBリーグ制覇』を有言実行した。
長崎はB3、B2と順調に勝ち上がり最短でB1に昇格を達成。トップカテゴリーで戦うための目玉補強として加わったのが馬場雄大だった。馬場は入団記者会見で優勝を目指すことは大前提にあると前置きをしながら「NBA選手になることが目標であり、オリンピックに向けて最も自分が成長できる環境だと思い選ばせていただきました」と主軸はあくまで自分の成長だとコメントしていた。迎えたファーストシーズンは、ベストディフェンダーにも選出されるなど個人としての結果は出すことができたが、チームは目標と掲げている優勝を勝ち取るどころかチャンピオンシップに進出することができず2シーズンを送った。
優勝後の記者会見で、馬場は5年以内に優勝することを掲げていたクラブと自身の思いにギャップがあったことを吐露した。「組織の上の人たちが、5年で優勝するチームを作ることを考えていましたが正直、自分はそういった思いを持たずにプレーしていました。長崎ヴェルカを選ばせてもらったときに優勝を掲げて入りましたが、最初の2シーズンは考えがすごく甘かったと思いました」
手を抜いていたわけではない。ただBリーグの成長曲線は馬場の予想をよりも高いレベルに達していた。「負けている立場とはいえBリーグのレベルの高さ、リーグの成長をすごく感じられたことはある意味うれしかったです」
だからこそ、今オフにNBAサマーリーグの挑戦を終えて長崎に戻ってきた馬場は並々ならぬ覚悟を持って挑戦したに違いない。それを支えたのは伊藤拓摩社長兼ゼネラルマネージャーであり、彼の姿勢が馬場をさらに本気にさせたことによって優勝を勝ち取ることができた。
「伊藤さんを中心に、全員がコミットメントしたと思いますし、全員が自分たちの仕事にプライドを持って、1日1日過ごしていたと思います。類は友を呼ぶではないですが、彼を中心として過ごし、彼の姿勢を見て集まった仲間たちのおかげで、優勝ができたと思います。ここにいるメンバーの誰か一人が欠けても優勝できなかったと思いますし、一人ひとりがプライドを持って働いた結果だと思います」
B1で悔しい思いをしたシーズンも決してムダではなかった。物ごとはすべて順調に進むとは限らない。長崎のメンバーはその時間をムダにせず、昇華させることで最高の結果をもたらした。馬場も頂点に上り詰め、周りを見渡してそれを実感したはずだ。
「光が当たらない時間も絶対必要だったと思いますし、あの時間があったからこそ、今の自分たちがあると思います。本当に結果論ですが、あの時間が僕たちを強くしてくれたと思いますし、すごく充実した時間でした」