
サンダーにとっては年俸削減に迫られての苦渋の決断に
現地7月19日、サンダーとホークス、マーベリックスの3チーム間トレードが成立した。サンダーはルーゲンツ・ドートを放出して2巡目指名権3つを手に入れる。ホークスはドートとライアン・ネムハードを、マブスはザッカリー・リザシェイを獲得する。
サンダーは昨シーズンの時点でセカンドエプロンを4000万ドル(約60億円)近く超過しており、さらにジェイレン・ウィリアムズとチェット・ホルムグレンの大型契約が新シーズンから始まる状況で、主力を放出せざるを得なかった。ただし、先に放出が決まったアイザイア・ジョーとアーロン・ウィギンズはロールプレーヤーだったが、ドートは最も在籍の長い古株で、再建へと転じたサンダーでドラフト外から努力を重ね、主力へと成長したディフェンダーだ。
『チームの顔』はシェイ・ギルジャス・アレクサンダーだが、ドートもまたサンダーを象徴する選手だった。泥臭いディフェンスで頭角を現し、弱点だったシュートを平均以上にまで改善させ、精神的支柱であり続けた。昨シーズンのプレーオフでは頭打ち感が出たものの、7シーズンを通してチームに求められる役割を安定してこなしてきた。その彼を手放すのは苦渋の決断に違いないが、現在のエプロン制度では仕方ない選択でもあった。
昨シーズン終了の時点で、「僕はこのクラブを信頼しているし、サム(プレスティGM)が僕のためにしてくれたことすべてに感謝している。僕はここに残りたい。どうなるか分からないけど、上手く行くことを願っている」と語るも、自分がサンダーに残れない可能性があることをドートは理解していた。
「ここに来た20歳の時と今では、僕は全くの別人だ。サンダーという組織が、コートの中でも外でもプロフェッショナルとしてどうあるべきか、一人の人間としてどう振る舞うべきかを教えてくれた。ファンの愛情も素晴らしいもので、これまでの道のりすべてを楽しんでいる」
しかし、残留はかなわなかった。サンダーは年俸を大幅に削減し、さらにドートの契約最終年となる来シーズンの1750万ドル(約26億円)のチームオプションを行使して放出することで、トレード例外も手に入れた。
ホークスは昨シーズン途中に長年のエースだったトレイ・ヤングを放出し、新体制へと舵を切ったところ。ダイソン・ダニエルズやニキール・アレクサンダー・ウォーカーといったディフェンス巧者にドートを加え、『守備のチーム』というチームカラーをより強めるとともに、将来の補強余地も残した。2024年に全体1位で指名したリザシェイを放出することにはなったが、2シーズンを通して伸び悩み、昨シーズン終盤にはローテーションから外れており、戦力として大きなマイナスにはならない。
そのリザシェイの再生に賭けたのがマブスだ。ダスティ・メイを新たなヘッドコーチに迎えて、クーパー・フラッグ中心の再建をスタートさせるチームにとって、ここ2年で結果を出せていなくても、まだ21歳の大型フォワードのリザシェイは魅力的な素材だ。