「育成年代の指導者は、今までの自分の指導を疑わなければいけない」
7月17日、バスケットボール男子日本代表の伊藤拓摩強化委員長によるメディアブリーフィングが行われた。『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window3での男子日本代表の戦いぶりを振り返るとともに、16チーム中14位に終わった『FIBA U17バスケットボールワールドカップ2026』についても言及した。
そして、初めてアンダー世代のワールドカップを現地観戦したという伊藤強化委員長は、「日本の育成年代の指導者は、今までの自分の指導を疑わなければいけないのかなと思いました」と語った。
もちろんこれは、ただ指導者を批判しているわけではない。様々なカテゴリーやレベルがあり、バスケットボールを楽しむためにやっているチームがあれば、日本一を目指すチームがあることを理解した上で、世界の強豪のプレーを目の当たりにしたからこそ発せられた強い言葉だった。
今回の視察は生で世界の17歳を見ることで、「日本が今後勝つために何が必要なのか」を確かめることが目的だったが、その結論は想像以上に厳しいものだった。「スキル面、戦術理解度、フィジカル、マインドセット、すべての面で日本のユース、高校生との違いがあった。本当に危機感を感じました」
世界との差は単なる身体能力だけではなく、技術や判断力、勝つための考え方までを含めた総合力。だからこそ伊藤強化委員長は「世界基準」という言葉を何度も口にし、「世界で戦える選手を育てたい」と本気で思っている指導者に向けて強い言葉を発したのだ。
伊藤強化委員長は以前、今回のU17ワールドカップについて「大会で負けた相手に『5年後勝つには何をしなければいけないのか』といったアンケートのようなものを作ってしっかり答えてもらおうと思っています。『5年後に勝つために必要な行動』を起こせているのか、JBAとして何かサポートできることがあるのか。各選手が大会で感じたことを、一時的なものとして終わらせない仕組みを作らないといけない」と語っていた。そして、実際に大会を終え、「JBAとしてサポート体制や強化システムをさらに充実させなければならない」と感じたという。
中長期的には、育成システムそのものの見直しにも踏み込み、ミニバスのルールやリングの高さ、年齢区分まで含めて検証する可能性にも言及した。これまでJBAが進めてきた育成プロジェクトについてもアップデートの必要性を示し、課題を洗い出すだけでは終わらず、その解決策まで具体化していく。
U17ワールドカップは、日本にとって世界との差を痛感する大会となった。それでも伊藤強化委員長は「危機感を感じましたし、同時にまだまだやれるなと。まだまだ日本のユース世代は強くなると感じました」とも言い、悲観していない。
「私たちが競争する相手は世界。その時に必要なのは世界基準です」と最後まで強調した伊藤強化委員長が、日本の強化を加速させる。
