辻直人

初のイベント開催「スリーピース」活動の新たな一歩

719日、オープンハウスアリーナ太田で「スリーピース大運動会」が開催された。

「スリーピース」は、群馬クレインサンダーズの辻直人が2018年から行っている社会貢献活動。これまではシーズン中に成功した3ポイントシュートの本数に応じた金額を積み立て、寄附や寄贈を行う活動をメインとしてきたが、今回は初の大掛かりなイベント形式にチャレンジ。当初は500人規模と想定していた参加者は申し込み時点で2000人を超え、抽選で当選した1500人が来場した。

辻は「昨オフから、この運動会を企画していました。運営のスタッフが入ってくれることになり、そこから何かやろうと動き出しました」と、今回のイベント開催の経緯を説明。2025-26シーズンからこの活動に加わった洛南高校の後輩、谷口大智の存在も大きかったと続けた。「誰かとやりたいなと思っていましたが、この活動に賛同するのは簡単なことではありません。その中で、志や自分の考えを持っている大智が入ってくれました。最初の1人が大智で本当に良かったです」

大運動会は、太田市の穂積昌信市長と同市議会の渡辺謙一郎議長の挨拶とキッズダンスショーで幕を開けた。参加者は辻の紅組と谷口の白組に分かれ、1クォーター「玉入れ」、2クォーター「ボール運び」、ハーフタイム、3クォーター「ジェスチャーゲーム」、4クォーター「シュート対決」と、バスケットボールになぞらえて4種目の得点を競った。

玉入れは通常の玉入れとは異なり、両選手がカゴを背負って相手チームにボールを入れられないよう動き回る変則ルール。選手に向かって球を投げる安全性を考慮し、ゴーグルに手拭い姿で登場した2人の姿に会場は大きな笑いに包まれた。ペアやグループになって様々なボールを運ぶリレー形式のボール運びでは、子どもたちとペアを組んで和やかにボールを運んだ。

ハーフタイムでは選手に対する質問コーナーとキッズダンスショーが行われた。子どもから寄せられた「好きな色は?」「どうしたら背が高くなる?」という可愛いものから「シーズンが始まったら、どう戦いますか?」といった真剣なものにまで、2人は1つひとつの質問に真摯に回答した。

イベント終了後に辻が「楽しくて印象的だった」と振り返ったジェスチャーゲームは、約20人が伝言ゲームのようにジェスチャーでお題を伝えていき、最後に2選手が答えるというルール。お題の「ライオン」に対して、辻は「丸書いてチョン」、谷口は「盆踊り」と回答し、まったく伝わっていない様子に、会場から大きな笑いが起こった。

「この空間をみんなで作れました」

辻の白組がわずかにリードして、最終種目のシュート対決を迎えた。参加者からパスを受ける形で、それぞれ50本の3ポイントシュートを放ち、成功数を競ったが、辻が谷口を圧倒して辻の白組が勝利を収めた。

谷口は「『辻さんだけには3ポイントで負けたくない!』と思っている中で、格の違いを見せつけられたので、絶対にリベンジします」と悔しさを見せながらも笑顔で話した。2人は高校の時から3ポイントシュート勝負を行っていたと辻は言う。「僕と勝負をするようになって、大智は3ポイントに目覚めたんですよ。トップしか入らなかったから、そこしか打たなかったですけど(笑)」

すると谷口は「それがきっかけで、大学でアメリカへ行った時に『何か武器を増やさないと』思って、3ポイントの練習を始めました」と、現在の武器となっている3ポイントシュートの原点が、高校時代の辻との勝負にあったことを明かした。

2人は現在も3ポイントシュート勝負をすることがあるという。谷口は「嫌なことを思い出すなあ。昨シーズン、1回も勝ててないです」と苦笑いを浮かべた。

谷口は、この活動に参加した1シーズンを振り返る。「僕も『子どもたちに何か還元したい』『未来を守りたい』と考えていましたが、1人では出来ることに限界があると思っていました。辻さんが活動の仲間を探していると聞いて、それに乗っかるしかないなと。僕のやり方でやって良いと辻さんが迎えてくれたので、1シーズン目を終えてホッとしてますし、最後に楽しいイベントができて良かったです」

辻は「考えていた以上の反響があり、こんなにも多くの方がこの活動を応援してくださっていることが嬉しいです。それと同時に。認知が広がっていることも実感しています」と今回の手応えを語り、最後に感謝の言葉で締めた。

「僕一人では限界を感じていたところで、大智が入ってくれました。協賛してくださった企業さんもいます。競技に参加してくださった方はもちろん、観覧席に来てくださった方も一緒に盛り上げてくれて、この空間をみんなで作れました。また、運営スタッフの皆さんがいなかったら、この大運動会は絶対に実現できませんでした。本当に感謝しています」