
今回出た課題を克服し、さらなるアピールに繋げる
河村勇輝は5得点5リバウンド12アシストでサマーリーグ最終戦を締めくくりました。相手のペリカンズはすでに主力を外しており、残されたメンバーの連携が悪かったこともあり、今回のサマーリーグでプレー内容は最も良く、特に後半は鮮やかなパスでペイサーズの得点を生み出し、自身の特徴をアピールしています。
サマーリーグを通してスピードを生かした1on1での突破力は大きな強みとなっており、コンタクトされてもバランスを崩さない体幹の強さも見せ、止めきれないがゆえにファウルドローの成功も目立ちました。また、懸念だったフィニッシュもセンターとのツーメンゲームからハイポスト近辺で止まってのターンシュートを決めており、ここでタメを作ることがゴール下へのアシストパスにも繋がっています。
今回は同じポジションにドラフト38位のブレイデン・スミスがいましたが、大学No.1と言われたポイントガードと比較しても、河村の方が突破力に優れていました。2シーズンに渡るNBA挑戦で個人能力が大きく向上していることを感じさせる出来でした。
しかし、カウンターを繰り出す攻守の切り替えの早さ、自分に複数のディフェンダーを引き付けるコース取り、スピードに乗っているチームメートを生かすタイミングの良いパスなど、ペイサーズが求めるオフェンスの構築能力ではスミスが大きく上回っていました。個人のスピードでは河村が上でも、チーム全体のスピードを生かしたトランジションアタックを生み出したのはスミスでした。
また、3ポイントシュート成功率は5試合で7.7%と、あまりにも厳しい結果となりました。オンボールで積極的に仕掛けるプレーは良くても、チームのボールムーブからフィニッシュする役割をこなせたとはいえず、オフェンスでは得意なプレーと苦手なプレーが明確に出てしまいました。
ディフェンス面ではこれまではサイズ不足が目立ちましたが、このサマーリーグではチェンジ・オブ・ペースで抜かれるなど平面で強さを発揮できず、何よりスクリーンに引っ掛かってスイッチするシチュエーションが多く出てしまいました。河村のサイズを考えるとボールに強くプレッシャーを掛けて思うようなオフェンスをさせなかったり、スクリーンをかわすことでミスマッチを避ける必要がありますが、普通の守り方をしてしまった印象です。
ペイサーズは2ウェイ契約も含めてロスター枠争いが激しく、20.8得点、6.4リバウンド、3.2ブロックと大活躍だったジェイレン・スローソンでさえも残れる保証はありません。河村は長所をアピールしたものの、弱点も明確に出ており、ペイサーズでロスター枠を勝ち取るのは相当厳しいと言わざるを得ません。一方でハンドラーが打開することを重視するチームであれば、長所はもっと生きてくるはずです。
NBAは競争が永遠と続いていくリーグです。このサマーリーグの結果ですべてが決まるのではなく、ここからトレーニングキャンプ、プレシーズンへと競争は続いていきます。今回出た課題を克服し、さらなるアピールに繋げることでNBAで活躍する機会を勝ち取ってほしいところです。