伊藤拓摩

八村と河村の代表参加について「後日皆さんにお話しをできたら」

5月1日、日本バスケットボール協会は2026年夏における男子日本代表候補選手53名を発表した。この53名が主体となり、7月3日と6日に行われる『FIBAワールドカップ2027アジア予選』Window3と、1次ラウンドを突破をすることができたら8月27日と31日に行われるWindow4を戦う。そして9月10日から愛知で開催される『第20回アジア競技大会』で最高の結果を残すことを目指す。ただ、今後の状況によっては、この53名以外が代表入りして上記の大会に出場することもあり得るという。

重要な大会が続く今夏について、伊藤拓摩強化委員長は各選手のコンディションなど状況に応じて臨機応変なチーム作りを行なっていく考えを示した。「6月の中旬頃から始まり、(アジア競技大会が終わる)9月20日まで非常に長丁場の活動期間となります。選手だけでなく、コーチたちの心身のコンディションを大切に考え、各大会でベストの結果を出すための体制を作っていくことが一番です」

53名のラージリストで最も注目が集まるのは八村塁、河村勇輝のNBA組がワールドカップ予選に出場できるかどうか。ただ、両者ともに来シーズンの去就が未定のため、現時点で確定していることは何もない。伊藤強化委員長も「おそらく皆さんが一番知りたいことだと思います。ただ、(次のWindowで対戦する)韓国代表、中国代表も知りたいことで、2人がいるのといないのではスカウティングや試合の準備もかなり変わってきます。(2人の参加については)諸々と調整が必要になってきますし、後日皆さんにお話しができたらと思います」と語るに留めている。

ワールドカップ予選については、その時に組めるベストメンバーで挑むスタイルで間違いない。ただ、アジア競技大会については、大会が終わるのはBリーグが開幕する数日前となる。そのため、一つのチームから2人、3人と参加することになれば、送り出したチームは開幕に向けた準備で不利を被ることになる。それも致し方ないと割り切ることもできるが、伊藤強化委員長は「そこはすごく難しいところで、私たちがしなければいけないのは総合的な判断だと思います」と語る。

「まず、日本代表がどのメンバーで臨めば勝てるのか、そこの軸は絶対にブラしてはいけないです。この軸をしっかりと持った中で、各選手やクラブさんたちと話しをする。現時点で明確にこうするといったものはないですが、大切なのは柔軟性を持つことです」

白谷柱誠ジャック

U17ワールドカップは「どの立ち位置にいるのかはっきりとわかる大会」

また、伊藤強化委員長は短期的な結果を残すことだけでなく、2032年のブリスベン、2036年の五輪を見据えた『12年構想』という中長期的な視点でのチーム作りも重視している。この視点で考えた時に大切となるのが、6月27日からトルコで行われる『FIBA U17ワールドカップ』だ。

同世代のトップ選手たちの実力を肌で感じることができる貴重な機会で、伊藤強化委員長も「若い選手たちにとって、自分が世界においてどの立ち位置にいるのかはっきりと分かる大会になります。出場する選手たちには思い切った経験をしてもらいたいです」と語る。そして、U17ワールドカップを通して次のような試みを導入したいと続ける。

「若い世代が世界に行って、今回『ワールドカップに行って、相手がすごかった。強かった』で帰って終わりにするのではなく、選手やコーチングスタッフに実際『どういったところが通用して、どこが通用しなかったのか』。大会で負けた相手に『5年後勝つには何をしなければいけないのか』といったアンケートのようなものを作ってしっかり答えてもらおうと思っています」

「そして選手たちを定期的にフォローアップして、『5年後に勝つために必要な行動』を起こせているのか、JBAとして何かサポートできることがあるのか。各選手が大会で感じたことを、一時的なものとして終わらせない仕組みを作らないといけないと思っています。そして日本の世代トップクラスの選手たちが世界に行ったらこういうことを感じた、こういう練習をすれば良かったと感じた情報を世に出していくことが大切だと思います」

「こういった取り組みができるのは、U17ワールドカップに出られるからだと思います。今大会は(グループリーグでアメリカ、フランス、イタリアと同じで)強い相手と対戦できるので、本当に日本の17歳の選手たちが、世界でどの位置にいるのかはっきり分かる。私も会場に行ってしっかりとこの目で見たいです」

候補選手の発表や今夏の動きについて様々なことが発表がされたが、伊藤強化委員長が将来に向けてどんな施策を打ち出していくかも楽しみになった今日の会見だった。