ジェイソン・テイタム

昨シーズンは難しいシュートを選択

ルーキーイヤーだった2017-18シーズンからセルティックスのレギュラーの座を掴み、リーグに旋風を巻き起こしたジェイソン・テイタム。2年目の成長が期待された2018-19シーズンは、主要スタッツこそ上がったが、1年目ほどのインパクトは残せなかった。

このオフ、テイタムは3年目に向けて、コーチのドリュー・ハンレンと課題に取り組んでいる。ハンレンは、フリースロー数の増加に加えて、ミッドレンジシュート数を減らして3ポイントシュート数を増やすことを目標に挙げ、練習に取り組んでいると『Boston Globe』に語った。

「オフェンスでは、適切な判断をしないといけない。昨シーズンの彼は、あまりにもまとまってしまっていた。相手との接触があると思うと、サイドステップ、ステップアウェイ、フェイダウェイのようなシュートを選択してしまっていた。決められる力はあるけれど、高確率なシュートではない。それに、ファウルをもらえない。よりスマートな形でアタックすることが大事」

昨シーズンのテイタムは、ミッドレンジから276本のシュートを放ち、成功率はわずか36.6%だった。3ポイントシュート成功率は37.3%と1年目から下がったが、むしろルーキー時代の数字(43.4)が良過ぎたくらいで、キャリア2年で平均40%という成功率は優れた選手である証だ。

ただハンレンは、2019-20シーズンにはテイタムに1試合平均8本近くの3ポイントシュートを放つよう指導しているという。

「ミッドレンジから打てない状況を作って、それで練習している。その練習のおかげで、彼はどのタイミングでジャンプシュートを放つべきか、それともアタックすべきかを習得し始めている。ミッドレンジを打たせない状況を作って練習しているので、あとは正しい判断ができるかどうかが重要になる。ミッドレンジがベストな時もあれば、3ポイントシュートが最適な答えという場合もある。あるいはリムに向かうことが最善というケースも。とにかく、あらゆることを考えることが大事」

テイタムのサイズ(203cm)、ハンドリングの技術、アウトサイドシューターとしての力があれば、対戦相手からファウルを誘えるが、昨シーズンは1試合2.9本、100ポゼッションあたりでも4.4本しかフリースローを獲得できなかった。

この点に関しても、テイタムは改善する努力を続けているという。

「我々が一番集中して取り組んでいるのは、相手とのコンタクトがあってもドライブして、リム付近でフィニッシュさせること。ドリブルからのシュート、3ポイントライン付近からフルスピードで動いてからのシュートを安定して決められるように練習している。我々としても、彼には今までより効率の良いプレーをしてもらいたいと考えている。そういう選手になれる。これまで練習してきた中でも、今の彼が一番集中している」

ハンレンは、テイタムがブラッドリー・ビール、クリス・ポールと1対1でマッチアップしている練習動画をTwitterに投稿。この動画からも、オフに取り組んでいることが垣間見える。

セルティックスは今夏カイリー・アービングが退団したが、フリーエージェントのケンバ・ウォーカーとエネス・カンターと契約した。来シーズンから司令塔はオールスターのウォーカーが務めるが、テイタムにはオフェンスの中心の一人としてチームを引っ張る役割が期待されている。

ハンレンとの二人三脚で課題を克服し、より完成された選手に成長できるかどうか、3年目のテイタムに注目だ。