山本麻衣

「チームを勝たせられてなくて本当に申し訳ない思い」

Wリーグファイナルで、トヨタ自動車アンテロープスはデンソーアイリスにシリーズ通算1勝3敗で敗れ、連覇を達成した2021-22シーズン以来のリーグタイトルをあと一歩で逃した。しかし、今シーズンのトヨタ自動車は、前年の13勝15敗から大きく成績を向上させ、23勝5敗でレギュラーシーズン1位に輝いた。このステップアップを支えたのがエースの山本麻衣だ。

昨シーズンから世代交代を断行したトヨタ自動車にあって、山本は持ち味の得点力に加え、若手を牽引するリーダーとしてもチームを支えた。だが、ファイナルゲーム4での山本はデンソーの激しいマークに苦しみ、フィールドゴール9本中1本成功の2得点に終わってしまった。

試合後、山本は表彰式や会見などで何度も悔しさから目に涙をためていた。大神雄子ヘッドコーチとは山本が桜花学園を卒業後、トヨタ自動車に加入した当初からの付き合い。彼女に指揮官として初の優勝を自身の活躍でプレゼントしたい思いがあったからこその涙だろう。

エースとして大きな覚悟を持ってコートに立っていた山本は、こう自身を責める。「シンさん(大神ヘッドコーチ)がプレーヤーだった時からの付き合いです。自分が試合に出られない時、シンさんがアシスタントコーチでずっと見てもらっていたからこそ、自分のポイントガードとしての成長がありました。そこからシンさんがヘッドコーチになって、自分はキャプテンを任せてもらえました。だからこそ今回、自分が最後に情けなくてチームを勝たせられてなくて本当に申し訳ない思いで今はいっぱいです」

山本麻衣

大神HC「思い切って楽しんで、良い顔でプレーしてもらいたい」

新シーズン、山本が挑戦するのは『プロジェクトB』という新興リーグ。今秋から来年の春にかけて、世界の7都市を回り、それぞれの都市で10日間にわたるイベントを実施する。3月26日から4月4日にかけてはトヨタアリーナ東京での東京大会が開催予定だ。全6チームで各11選手の計66選手が参加予定となっており、山本以外では複数のWNBAスター選手たちとの契約を発表している。

山本にとっては世界のトップ選手たちと実戦を重ね、レベルアップを果たせる絶好の機会となる。3月の『FIBA女子ワールドカップ2026予選トーナメント』では、5試合で平均15.0得点、3.6アシストを挙げるなど、世界を相手にも実績を残しているが、さらなるステップアップへ次のことを意識して新たな舞台に挑む。

「ワールドカップ予選、そして(Wリーグ)ファイナルを経験して、やっぱり自分に対して3ポイントシュートを消して来るのは当たり前だと思います。そこを一人で打破する部分と、チームで打破する部分の状況判断を良くしていく。得点力や1対1を磨きつつ、自分が囮になったりして、味方を生かすプレーをどんどん増やしていきたいです」

そして大神は愛弟子に次のエールを送る。「彼女は本当にバスケットボールが楽しいことを表現できる選手です。どんな舞台にいっても、一番はそれを表現する山本麻衣、いやこれからは世界のマイ・ヤマモトであってほしいです。やっぱり思い切って楽しんで、良い顔でプレーしてもらいたい。どんな場所に行っても変わらず応援を続けます」

新リーグの前には、9月に女子ワールドカップ2026と大舞台がある。ここで、マイ・ヤマモトの存在を世界のバスケファンにアピールし、そのまま新リーグへと繋げていくことに期待したい。