
オフェンスに意識が向きすぎ、肝心の守備が疎かに
プレーオフのストレートインとなる6位を目指し、6チームがで激しい順位争いを繰り広げていた東カンファレンスですが、最初に脱落したのはヒートでした。直接対決となったラプターズ戦で95-121と大敗し、4年連続でプレーイン・トーナメントへ回ることとなりました。
この試合でバム・アデバヨは9リバウンドこそ奪ったものの7得点3アシスト、3ポイントシュートは7本中1本成功と低調でした。1カ月前のウィザーズ戦では歴代2位となる1試合83得点を奪い、オフェンス力に自信を深めたはずが、大事な試合で完璧に封じ込められました。厳密には、83得点の試合からアデバヨのプレーは『狂い始めた』のかもしれません。
ウィザーズ戦では22本の3ポイントシュートを放ち、43本ものフリースローを打ちました。それは相手ディフェンスへの対応の一部ではありましたが、以降のアデバヨは3ポイントシュートを打つことを重視し、ディフェンダーに距離を詰められれば自分から手を絡めに行く安易なファウルドローを繰り返すようになりました。
その結果、ウィザーズ戦の前後でアデバヨの得点は0.9ほど増えましたが、3ポイントシュートは25%しか決まらず、ファウル狙いが多すぎて2ポイントシュートの成功率も下落しています。エースとして自分で点を取る気持ちが強まったと言えばポジティブですが、そのためのスキルが伴っておらず、『83得点』が彼のプレーを間違った方向へと進ませています。
Every made shot from Bam Adebayo’s historic 1st quarter 🎥
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— Miami HEAT (@MiamiHEAT) March 11, 2026
また、オフェンスに意識が向きすぎるからか、ディフェンス面での運動量不足も目立つようになりました。アンダーサイズながらスピードとパワー、そして運動量を持ち合わせ、広いエリアを守れるのがアデバヨの強みであり、ヒートはその前提でディフェンス戦術を構築していますが、今ではスペースにパスを出されると間に合わないケースが多発し、ヒートのペイントは穴だらけ。ラプターズ戦でもペイント内で70もの失点を喫しました。
ヒートはウィザーズ戦でアデバヨに記録を作らせるために、大勝しているにもかかわらず逆ファウルゲームでポゼッションを増やし、3ポイントシュートを乱打させ、ディフェンスが密集したところで大量のファウルドローをしました。アデバヨは歴史に名を刻んだ代償として本来のプレーを見失ってしまい、ヒートもそれ以降は4勝9敗と勝てず、6位だった順位も10位まで落ちてきました。
この3年間のヒートはシーズンの成績が振るわなくても、自分たちの戦い方を見失わなかったからこそプレーイン・トーナメントを勝ち抜き、プレーオフへと進んできました。しかし、今のヒートは自分たちの戦い方を完全に見失っています。オフには主力の契約更新も控えている中で、どのような結末を迎えてしまうのか。あの『83得点』はヒートに大きな転機をもたらすのかもしれません。