
「プレッシャーをかけづらかったのがディスアドバンテージになった」
シーホース三河は、B1第29節でサンロッカーズ渋谷と対戦。ゲーム1は日本人エースの西田優大が17得点の活躍で勝利を収めたが、ゲーム2ではその西田が第1クォーター開始4分で個人ファウルを2つ重ねてしまい、リズムをつかめなかった。第3クォーター終了時には最大17点差あったビハインドから同点へ追いつく粘りを見せるものの、最終クォーターに再び突き放され84-94で敗れた。
三河のライアン・リッチマンヘッドコーチは「第1クォーターの出だしの部分と第4クォーター、最初と最後のところでインテンシティが高いディフェンスを行うことができませんでした。才能あるチームに一度自信を与えてしまうと止めるのは非常に困難で、第1クォーターで彼らに自信を持たせてしまったことが、最後まで響きました」と、反省を口にした。
先発ポイントガードの長野誠史は、西田のファウルトラブルを受けてアタックモードに切り替えた。「僕が得点、ペイントアタックを狙うことで、他の選手の得点チャンスも増えるのではないかと思い、自分が得点源になるマインドセットが生まれました」と言うように、アグレッシブに攻め続け、3本の3ポイントシュートを含むキャリアハイの22得点を挙げてオフェンスを牽引した。リッチマンヘッドコーチも「非常にアグレッシブでした。ファウルトラブルには見舞われましたが、得点に対しても積極的でした。彼は本当にハードワークする選手で、何よりも『勝つこと』を第一に考えています。素晴らしい活躍でした」と称賛する。
しかし、「ファウルトラブルに見舞われた」と指揮官が指摘したように、長野は6点差に迫った最終クォーター残り2分4秒にファウルアウトとなりベンチで頭を抱えた。イージーバスケットを免れるための苦肉の策だったが、チームは大事な場面で最も調子の良かった選手を失った。長野も「要所でしなくてはいけないファウル。一つひとつの積み重ねがもたらすファウルの重みというのを、今日の試合ですごく感じました」と振り返った。
三河は2月以降の15試合で12勝3敗と調子を上げ、現在ワイルドカード1位でチャンピオンシップ圏内にいる。ただ、今回のように敗れた試合はディフェンスが機能しなかったことが敗因に挙がることが多い。三河はこれまでもガードが前線からプレッシャーをかけることでトーンセットを行ってきた。それを遂行するためにチーム全体でファウルをするシチュエーションについて学んできたと言うが、今回は思うようなゲームプランを遂行できなかった。長野は言う。
「本来だったら自分が一線からボールプレッシャーをかけて、チームのディフェンスに勢いを付けるという形をやりたいのですが、今はヨシ(久保田義章)もいない中で、今回は優大もファウルトラブルになり、ボールハンドラーにプレッシャーをかけづらかったのがディスアドバンテージになっていたと思います」
実際に、ほとんどの時間帯でゲームメークを行ったジャン・ローレンス・ハーパージュニアに15得点8アシストを許し、ディディ・ロウザダには内外から得点されキャリアハイに迫る26得点を奪われた。バックコート陣に自由にプレーされたこと、序盤の劣勢が結果に響いた。
今週の対戦相手はチャンピオンシップを争う広島ドラゴンフライズ、名古屋ダイヤモンドドルフィンズと続く。ポストシーズンを見据えた上で、この3戦は重要な試金石となるだろう。痛い1敗とはなったが、この終盤戦でファウルマネジメントの大切さをあらためて感じることができたのは収穫と言える。攻守で大事な役割を任される長野がそれを再認識できたのなら、なおさらだ。