
「プレーできる喜びをポジティブに噛み締めたい」
ステフィン・カリーの戦線離脱は短期間で済むはずで、2カ月以上に及ぶ長期離脱になるとは誰も予想できなかった。それでも現地4月4日、翌日のロケッツ戦に向けたチーム練習の後に指揮官スティーブ・カーは「ステフが戻って来る」と宣言。その後にカリー自身もメディア対応を行った。
「思ったよりも長いプロセスになったけど、ようやく復帰して以前のようなレベルでプレーし、良い形でシーズンを終える可能性を得られて良かった。今シーズンは期待していたものとは違う形になっているけど、まだ戦う理由は残っている。何かを成し遂げたいし、その一部になりたいんだ」
カリーのケガはランナー膝と呼ばれるもので、オーバーワークによって膝の靭帯が炎症を起こし、痛みの原因となる。「最初はこのケガの知識がなく、1週間か10日の休養で痛みは治まると考えていた。それでも、復帰に向けて運動の負荷を高めるたびに痛みがぶり返した。完治するまではただ休ませるしかない種類のケガで、リハビリを頑張るというわけにはいかず、忍耐ばかりの精神的な戦いだった。これまでのケガは『こうすれば、こうなる』という復帰までのプロセスがはっきりしていたけど、今回は違った」
「テストでは何の問題もなく、コートに出てワークアウトはできるけど、練習の終盤になると痛みが出てくる。そして翌日には最悪の状態に戻ってしまう。この2カ月はその繰り返しだった。調子が良い日もあれば悪い日もあり、その理由が分からないことが一番のフラストレーションだった」
実際には、ロケッツ戦の試合出場も当日の状態次第。「頭の片隅にはまだ不安がある」とカリーは率直な気持ちを明かす。「でも、もし明日の朝に少し痛みが出たとしても、復帰のためにできる限りのことはやったわけだから、プレーできる喜びをポジティブに噛み締めたい。復帰がなかなか決まらず、プレーインにぶっつけ本番というわけにもいかないから、残りの試合数を考えてパニックになりかけたこともある。でも、スタッフと一緒に治療を進め、明日という日を迎えられるのはこれ以上ない喜びだ。実戦の興奮や緊張感を久々に味わうと思うとワクワクするよ」
カリーが戦線離脱する少し前にジミー・バトラーがシーズン終了のケガを負った。2月に補強したクリスタプス・ポルジンギスは病気が完治せずに、休養を挟みながらのプレーを強いられている。戦力不足は如何ともしがたく、ウォリアーズはカリー不在の間に9勝18敗と苦戦を強いられ、10位フィニッシュでのプレーインが濃厚だ。
「この2カ月間、チームの苦戦を見ているだけなのは辛かった」とカリーは言う。「ドレイモンド(グリーン)がチームを全力で引っ張る姿、若手が苦しい中でも成長していく様子を見て、自分もその一部でありたいとずっと思っていた。厳しい負けがたくさんあったけど、勝とうとする意欲がない試合は一つもなくて、そのことを誇りに思うよ。チームを助けられないことにずっとフラストレーションを感じていたけど、レギュラーシーズンの最後にようやくチャンスを得られた」
低調なシーズンとなっているが、挽回の可能性はまだ残されているし、それをつかめると彼は信じている。「良いリズムをつかむまでには少し時間が必要かもしれないけど、一発勝負のトーナメントに向けた準備はやってきたつもりだ。プレーインで2勝すれば、今とは違ったトーンで話ができる。ただ、今は目の前のことに集中したい。ラスト5試合で5連勝しようが5連敗しようが関係ないかもしれないけど、プレーインをベストな状態で迎えたい。相手がどこであれ挑戦を受け入れ、まずは1勝して、次も勝つ。道筋はシンプルだ」