馬瓜エブリン

「どんな時でもしっかりプレーすることが目標です」

バスケットボール女子代表の第6次強化合宿で、渡嘉敷来夢とともに待望のチーム合流を果たしたのがこれまでコンディション不良から参加を見合わせていた馬瓜エブリンだ。昨年のワールドカップでの馬瓜は、髙田真希、宮澤夕貴に次ぐ1試合平均27.7分出場で11得点、3リバウンドを挙げ、主力として奮闘。また、昨シーズンのWリーグではレギュラーシーズン平均17.5得点とトヨタ自動車アンテロープスのエースを担い、名実ともに国内トップ選手の仲間入りを果たした。

だが、本人に代表で地位を得たという自覚はない。「常にトム(ホーバス)さんのバスケットボールをしっかり体現し、コンディションも良くないと、代表に選ばれることはないと思っています」と、合流が遅れたことへの不安もあったと明かす。

「自分がいない間、誰かが良いプレーをしたら、その分で競争に遅れてしまうという思いはありました。メンバー争いには絶対に負けたくないですし、余裕という考えは全くないです」

とはいえ、代表における意識は確実に変わってきている。「前回のアジアカップで、自分は若手で出番も少なく、貢献できたという実感はありませんでした。でも、今回のアジアカップでは去年の経験も生かして、チームの中心として貢献したい。自分より年齢が下の選手もどんどん入っていて、もっとしっかりしないといけないと思います」

代表に選ばれるだけでなく、チームに貢献すること。馬瓜がそう考えるようになったのは、ホーバスの目指すスタイルを理解しているという手応えがあるから。同時に課題をこう語る。

「何年も代表をやらせてもらっている中で、何回も怒られてきました。前は立ち直れなかったのが、今はめちゃくちゃ怒られてもまだ立ち直れるようになりました(笑)。そういった経験があって、トムさんのバスケットをだいぶ理解はしていると思います。でも、常に体現することはできていない。どんな時でもしっかりプレーすることが目標です」

馬瓜エブリン

「流れが悪い時こそ持ち味を出して積極的に」

ムラを少なくする上で、自身が発揮しないといけない持ち味を「特徴である身体が強いところを生かすという意味で、ドライブであったり、瞬発力を発揮できるプレーをもっと出していけたらいいなと思います」と見ている。さらに試合の流れを変えられる存在になることを目指す。

「雰囲気が良くない時にチームに勢いをつける。そういったプレーも自分の得意としているところだと思っています。流れが悪い時に引いたプレーをせず、そういった時こそ自分の持ち味を出して積極的に行きたいです」

合流の遅れを取り戻し、代表においても主力の座をつかむべくモチベーションを高める馬瓜だが、5人制、3人制でともに代表候補となっている妹のステファニーは、誰よりも意識する存在だ。「一応は『チームメートの一人』とお互いにいつも言っていますけど、トヨタ自動車の時から、いざ練習でマッチアップするとバチバチです。高め合うというより、本当に姉妹ケンカみたいな感じですけど、絶対に負けたくないとお互いに思っています(笑)」

代表においても闘志をかき立てられるライバルがいることは、彼女にとって大きなプラス材料だ。8月末のチャイニーズ・タイペイとの国際試合、その先にあるアジアカップに向けて、エブリンがどこまで調子を上げていけるのか注目していきたい。